国土交通省の調査によると、平均40歳前後でマイホームを実現しています。何千万円もする買い物なので、多くの人が「住宅ローン」を頼りにしています。しかし希望通りに借りられるというわけではなく、「審査が通らないから、マイホームを諦めた」というケースも。果たして銀行は、何を基準に審査をしているのでしょうか。みていきましょう。
ワンチャン行けるかと…年収600万円・39歳の夫「住宅ローン」全落ちの悲惨、妻の夢をぶち壊し、涙

住宅ローンの審査…「銀行5行」で全落ちのワケ

実際にマイホームの購入を検討するなら、多くが「住宅ローンの活用」を検討するでしょう。ただ希望通り、誰もがお金を借りられるとは限りません。国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』によると、銀行から「融資額の減額等をしなければ融資不可」とされたのが4.9%、「融資は一切できない」とされたのが3.7%。10人に1人程度の割合で、銀行から「あなたにお金は貸せません」といわれています。

 

――住宅ローン、全落ち……

 

と呟いた40歳目前だという自営業の男性もそのひとり。銀行5行にローンを申し込んだものの、すべてに断られたといいます。年収は600万円ほどだといいますが、実際、銀行はローン審査の際に何を基準としているのでしょうか。国土交通省『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』で銀行の主張をみていきましょう。

 

同調査によると、融資を行う際に考慮する項目で最も多かったのが「完済時年齢」で98.7%。ほか9割の銀行で審査の際に考慮すると回答があったのが「健康状態」「借入時年齢」「担保評価」「勤続年数」「連帯保証」「返済負担率」「年収」「金融期間の営業エリア」。ほか半数を超えたのが「国籍」「融資可能額(購入の場合)」「雇用形態」「他の債務の状況や返済履歴」でした。

 

さらに「性別」21.2%、「雇用先の規模」25.4%、「所有資産」26.2%、「家族構成」29.8%、「業種」34.4%と、「えっ、そんなことが審査の対象に⁉」というものも。銀行によって審査項目は異なるので「年収が高いから大丈夫」と一概にいうことはできなさそうです。

 

銀行が審査落ちの理由を説明してくれることは基本的にないといわれていますが、男性の場合、3年前に脱サラして、いまは自営業というのが最大のネックだったよう。自営業の場合、ローン申請時にある程度収入があっても、やはり波があるので、銀行も敬遠しがち。

 

――妻とも子どもが小学生にあがる前に家を買いたいねと話していた

――ワンチャン行けるかもと思ったけど……やっぱり駄目だった

――妻の夢をぶち壊してしまった……情けなくて涙がでる

 

何とも沈んだコメントを投稿した2週間後、「妻、無事、ローン通過!」と報告。思い描いたカタチとは異なるものの、夢のマイホームに向けて一歩前進したようです。

 

[参考資料]

国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』

国土交通省『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』