年収が高く、携帯料金等の延滞なし、カードローンなどの借り入れもなし……。住宅ローン審査になんの問題もないように思えても、思わぬ原因で審査に落ちるケースがあるといいます。一体どんな理由でしょうか? 本記事では、Aさんの事例とともに住宅ローン審査を通過するために注意すべきポイントについて、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
不動産業者「誠に申し上げにくいのですが、融資できません」…世帯年収1,700万円の30代共働き夫婦、住宅ローン審査“謝絶”の真相に愕然…原因は学生時代の〈ある決断〉【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

審査に落ちてもあきらめないこと

比較的厳しめのネット銀行による審査

実店舗を持たず、インターネットでの取引で手軽にサービスを利用できるネット銀行は、年々利用者数を延ばしています。

 

住宅ローンの金利も低いため、是非利用したいところですが、対面相談できる店舗も少ないためか、ネット銀行の住宅ローンの審査基準は厳しいものになっています。

 

安定性重視の「メガバンク」による審査

また、メガバンクも返済の安定性を重視する面があり、公務員や大手企業に勤務している人や長期間同じ企業に勤務している人が借りやすい、といった傾向にあります。

 

比較的借りやすい「地方銀行」

そのようななかで地方銀行は、ネット銀行やメガバンクよりも借りやすく、個人事業主や零細企業に勤務している人でも収入があれば審査に通ることもあります。地方銀行の住宅ローンというと、住んでいる地域の住宅を購入する際に利用できる、というイメージがありますが、最近では県外の企業や個人に貸し付けができるケースもあります。

 

また、フラット35も借りやすいローンといわれています。一度、審査に落ちたから、と悩まずに複数の金融機関に相談してみましょう。

 

住宅ローンが契約できた金融機関とは長いお付き合いになります。もっとも便利で最適な金融機関を選んで、無理のない住宅ローンを組みましょう。

「奨学金」が住宅ローン審査に大きな影響を与えることも

奨学金は、自動車ローンやカードローン等とは性質が違うと判断してしまい、きちんと返済していれば住宅ローンの借り入れには問題ないと思ってしまう人が意外と多いようです。しかし実際は、住宅ローンを借りるときに返済比率に影響が出て、審査に落ちてしまうケースもあります。

 

また、重要と思わずに審査のときに奨学金の申告が漏れてしまうケースもあるようです。ですが、奨学金もれっきとした借り入れです。当然ながら住宅ローンの審査ではしっかりとチェックされます。奨学金は社会に出たあとに影響してきますので、奨学金を借りるときには慎重になるようにしましょう。