借入期間が長くなると総返済額が増える
2020年度 住宅ローン貸出動向調査によると、25年を超えるローン期間の貸し出しの割合は、2016年度には53.7%だったのに対し、わずか3年後の2019年度には68.4%に増えています。
借入期間が長くなればなるほど、当然ながら支払利息が増えて総返済額は大きくなっていきます。たとえば、借入金額4,000万円、返済期間35年と50年とで比較してみましょう。
・返済期間35年の場合 毎月の返済額:11万2,194円 総返済額:4,742万円
・返済期間50年の場合 毎月の返済額: 8万4,744円 総返済額:5,084万円
※金利1.0%・ボーナス返済なしで計算しています。
しかし、この試算は金利が一定で続くことが前提での計算です。変動金利型や固定期間選択型のローンでは、途中で金利が変わっていきますので、注意が必要です。
なお、下記は住宅金融支援機構の全期間固定型住宅ローンの比較ですが、固定金利の場合は借入期間が長くなると金利も上がってくるのが特徴です。同じく借入金額4,000万円で資産しています。
50年ローンにもなると、30年経過しても借入金額4,000万円の半分も返せない計算になります。
住宅ローンが長期化すると、老後の生活にも負担がかかってきます。定年退職時に住宅ローンがいくら残っているかを把握してローンを計画することも重要です。定年退職後はどうしても収入が減るため、いつでもまとめて返せる金額であることを考慮して借入金額や借入期間を決定していきましょう。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表