もう少し、何かできたのでは…老人ホーム入居の母に抱く複雑な想い
80代の母が認知症となり、最近、老人ホームに入居したと投稿する50代の女性。子は女性含めて4人いましたが、自身以外は実家から遠く、自然と長女である女性が母の介護をするようになったといいます。
最初はちょっと物忘れがある程度でしたが、徐々に症状は進行。度重なる徘徊で警察に保護されたり、ときに暴れることも。介護は体力勝負だったといいます。
女性の場合、段々と介護と仕事が両立できなくなり、体力的にも精神的にも追い込まれ、病院に通うようになったといいます。
――このままでは自分が先に倒れてしまう
ケアマネージャーの勧めもあり、母を介護付き有料老人ホームに入居させることを決意したといいます。
――母の介護から解放されると決まったときはホッとしました
と女性。ただ浮かない顔をするのは、母がホームに入所した当日のことが忘れられないからだといいます。その日、久々に車に乗って楽しそうな顔をしていた母。入居する老人ホームも最初は物珍しかったのか、ご機嫌だったといいます。ただ母を送り届け、帰ろうとしたとき、事態は起きたのです。
――イヤだ、イヤだ
まるで子どもが駄々をこねるように、号泣しながら、とにかく「イヤだ」と連呼する母。職員が必死になだめる姿を後ろにしながら、女性は帰ったといいます。
アクサ生命『介護に関する親と子の意識調査2019』によると、「もし子どもに介護施設での介護を提案されたら」との問いに対し、83.2%が「自宅や家族と離れるのは寂しい」としながらも、82.6%が「仕方がない」と回答しています。認知症を患っていた女性の母親がどれほど認識していたか分かりませんが、「仕方がない」と思う親世代に対して、「申し訳ない」という子世代は多いようです。
――わたしも限界でしたが、もう少し、何かできたのでは
ふと、後悔を感じ、涙することがあるとか。ただ、このまま在宅介護を続けていたら、女性も母も潰れていたかもしれません。そう考えると、老人ホームへの入居は最良の選択のひとつだったといえるでしょう。
[参考資料]