住宅購入当時、ローン利用の際に金利が上がるかもしれないと、35年間の固定金利を選んだものの、低金利が続く状態のなか、変動金利に借り換えを検討する人も少なくありません。しかし、年収は十分、返済の延滞がない人であってもローンの審査に通らないこともあるようで……。本記事では、FP事務所・夢咲き案内人オカエリ代表の伊藤江里子氏が、住宅ローン借り換えにおける注意点について解説します。
銀行員「あいにくですが、対応できません」…年収1,000万円の47歳・上場企業勤務サラリーマン、返済延滞なしでも“住宅ローン借り換え審査”が通らないワケ【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ライフイベントとマネープラン、夫婦でしっかり共有しよう

今回のJさんは、妻も承知の間柄の人たちと飲みに行くためのお金で、かつ少額だったので夫婦間では大事になりませんでした。しかし、仮にギャンブルのためもっと多くの金額を家族に内緒で借り入れをしていたとなると大きな問題に発展していたはずです。

 

カードローン・キャッシングは資金使途を聞かずに手軽に借りられる分、金利も高く設定されていて、住宅ローンや教育ローン、車のローンなど目的がある借り入れとは異なります。金融機関によって、審査基準はさまざまですが、遊行費でもなににでも使えるカードローンやキャッシングの利用が複数あると住宅ローンなどの審査に影響する場合があります。

 

そして、家族のマネープランについて、お互いに共有し意見を言えることが大切です。特に3歳差の子どもがいる場合中学と高校、高校と大学の入学時期が重なりますので大きな出費が予想されます。

 

家族の年齢とライフイベントを書き出し、キャッシュフロー表などを活用して長期的にみて将来の備えもある程度確保できることがわかれば、Jさんの妻のようにお小遣いを減らさなくてもいいということも見えてきます。

 

マネープランを共有・可視化することは、単に金銭的な安定をもたらすだけでなく、家族間の信頼関係を深めることにもつながります。

 

 

 

伊藤 江里子
FP事務所 夢咲き案内人オカエリ 代表