そう簡単にフォロワーは増えない…
夫に内緒で始めたアカウントでしたが、一向にフォロワーは増えません。なにを投稿しても「いいね」はひとつもつきません。同じように療養の様子を投稿するアカウントはあり、そちらはフォロワーが数万人います。見ると確かに面白く、自分との差を感じるばかり。だからといって真似しても意味がありません。
突然注目された「ある投稿」
自分のやり方を見つけなければ……と試行錯誤した結果、ある投稿が急に伸びたのです。それは夫への愚痴でした。あまり几帳面ではない夫は、キッチンに洗い物が溜まっていても気にすることがありません。自宅療養していたときはいつもキッチンが汚れていて、夫に何度も頼んでやっと洗ってくれるような状態だったのです。
そのころの様子を写真付きで愚痴として投稿したところ、急に閲覧数もコメント数も伸びました。
「これはありえません……奥さんが可哀想」
「私の夫もそうでした!」
「ほんと腹が立ちますよね!」
と共感を呼んだようです。これは、と思った妻Bさん。アカウントは病状を解説するものから「夫への愚痴」をいい続けるものへと変貌していきました。夫の様子を隠し撮りし、愚痴とともに投稿するのです。日ごろの配偶者への不満が溜まっている人は多いものです。そのような人が共感を示し、フォロワーが毎日のように増えていくようになりました。といっても、フォロワー数はまだ5,000人程度。これでは宣伝しても売り上げはわずかでしょう。
投稿はどんどん過激に…
そしてまた偶然、フォロワーが増えるきっかけがありました。妻Bさんが気まぐれで自分の姿を鏡の前で撮り、投稿してみたのです。自宅の中での普段着でしたが、なぜか男性のコメントが多く付きました。
「きれいです!」
「想像していた人と全然違いました!」
などというコメントとともにフォロワーがこれまで以上に増えました。フォロワーが増えるのはともかく、チヤホヤされて悪い気はしません。さらにまた際どいお色気写真を投稿してみたところ、それが本格的にバズったのです。こうして妻Bさんのアカウントは、夫の愚痴とお色気写真を交互に投稿するように。
フォロワーは3万人を超え、Bさんはますます過激化。夫の愚痴のネタがなくなると、今度は創作しはじめたのです。
「夫が浮気している、これが証拠」
「夫を尾行したら女性と食事をしていた」
など、すべて嘘でしたが、なにを投稿しても反応がよく人気が出ます。お色気画像に群がる中年男性達にとって、夫の愚痴をいう女性は隙があるように見えて魅力的なのでしょう。これで副業としても成り立つかもしれない、と思った妻Bさんですが、事態は最悪の方向へ。