大企業を中心に兼業を許可する勤務先が増え、副業を始めようとしている人も多いのではないのでしょうか。本記事ではAさん夫婦の事例とともに、収入が足りないと感じる際にまず最初に考えるべきことについて、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
世帯年収990万円の30代・仲良し夫婦、収入減で「住宅ローン・月12万円」を支払えず…苦労を共にした妻が始めた「副業」に生来おおらかな夫、大激怒のワケ【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

そう簡単にフォロワーは増えない…

夫に内緒で始めたアカウントでしたが、一向にフォロワーは増えません。なにを投稿しても「いいね」はひとつもつきません。同じように療養の様子を投稿するアカウントはあり、そちらはフォロワーが数万人います。見ると確かに面白く、自分との差を感じるばかり。だからといって真似しても意味がありません。

 

突然注目された「ある投稿」

自分のやり方を見つけなければ……と試行錯誤した結果、ある投稿が急に伸びたのです。それは夫への愚痴でした。あまり几帳面ではない夫は、キッチンに洗い物が溜まっていても気にすることがありません。自宅療養していたときはいつもキッチンが汚れていて、夫に何度も頼んでやっと洗ってくれるような状態だったのです。

 

そのころの様子を写真付きで愚痴として投稿したところ、急に閲覧数もコメント数も伸びました。

 

「これはありえません……奥さんが可哀想」

「私の夫もそうでした!」

「ほんと腹が立ちますよね!」

 

と共感を呼んだようです。これは、と思った妻Bさん。アカウントは病状を解説するものから「夫への愚痴」をいい続けるものへと変貌していきました。夫の様子を隠し撮りし、愚痴とともに投稿するのです。日ごろの配偶者への不満が溜まっている人は多いものです。そのような人が共感を示し、フォロワーが毎日のように増えていくようになりました。といっても、フォロワー数はまだ5,000人程度。これでは宣伝しても売り上げはわずかでしょう。

 

投稿はどんどん過激に…

そしてまた偶然、フォロワーが増えるきっかけがありました。妻Bさんが気まぐれで自分の姿を鏡の前で撮り、投稿してみたのです。自宅の中での普段着でしたが、なぜか男性のコメントが多く付きました。

 

「きれいです!」

「想像していた人と全然違いました!」

 

などというコメントとともにフォロワーがこれまで以上に増えました。フォロワーが増えるのはともかく、チヤホヤされて悪い気はしません。さらにまた際どいお色気写真を投稿してみたところ、それが本格的にバズったのです。こうして妻Bさんのアカウントは、夫の愚痴とお色気写真を交互に投稿するように。

 

フォロワーは3万人を超え、Bさんはますます過激化。夫の愚痴のネタがなくなると、今度は創作しはじめたのです。

 

「夫が浮気している、これが証拠」

「夫を尾行したら女性と食事をしていた」

 

など、すべて嘘でしたが、なにを投稿しても反応がよく人気が出ます。お色気画像に群がる中年男性達にとって、夫の愚痴をいう女性は隙があるように見えて魅力的なのでしょう。これで副業としても成り立つかもしれない、と思った妻Bさんですが、事態は最悪の方向へ。