厚生労働省の調査によると、日本人の平均給与は500万円弱。そんな平均的な日本人は、将来、いくら年金をもらえるのでしょうか。みていきましょう。
平均「年収496万円」の日本人…65歳から受け取れる「衝撃の年金額」、高齢者の半数が「生活苦」の実態

正社員/非正規社員別「65歳から受け取れる年金額」

同じように20歳から60歳まで、ずっと正社員だった場合、ずっと非正規社員だった場合の年金額を考えてみましょう。あくまでも単純計算ではありますが、平均的なサラリーマンであれば、月17.5万円。手取りにして月15万〜16万円程度になりそう。一方でずっと非正規社員だった場合は、男性で月11万円前後、これが毎月の生活費のベースになります。

 

【平均的な「年金額」の目安】

◆正社員

男性:月17.5万円(手取り月14.9万~15.8万円)

女性:月14.9万円(手取り月12.7万~13.4万円)

◆非正規社員

男性:月12.7万円(手取り月10.8万~11.5万円)

女性:月11.4万円(手取り月9.7万~10.3万円)

 

平均的な日本人で年金手取り額は14万円以下…年金だけで暮らすことは可能?

総務省『令和4年 家計調査 家計収支編』によると、高齢者の1ヵ月の平均支出額は月14万円程度。平均的なサラリーマンであれば、年金だけでギリギリ暮らしていける水準。日本人の平均的な年金手取り額では、毎月貯蓄の取り崩しが必要になる……これが日本の高齢者の実情です。

 

――たったこれだけか、少ないなあ……

 

将来、受け取れるだろう年金額に衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。もちろん、実際に年金だけで足りるかどうかは、ライフスタイルや、持ち家か賃貸かなど住まいのカタチにもよるので、一概にいうことはできません。ただ前出の『国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯の48.3%が「生活が苦しい」、45.1%が「普通」と回答しています。「年金だけで悠々自適な老後」には程遠い……これが日本の高齢者の実態です。

 

さらに今後、年金財政は厳しくなり、2040年代には年金2割目減りは確実。そう考えると、年金への依存度を減らし自助努力に頼ることが、これから老後を迎える現役世代にとって、一番の老後対策といえそうです。

 

[関連資料]

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第96回<2023年12月調査>)』

厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査』

総務省『令和4年 家計調査 家計収支編』