株式投資による利益をめざす上で市場動向や投資理論について理解していること大きな強みになりますが、どれだけの知識があっても、一時的な値動きや周囲の声に惑わされない強い「精神力」を兼ね備えていなければ、良い成績を残すことはできないでしょう。本稿では株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、株式投資で利益を得るために必要な知的能力について解説します。
“投資理論”がわかる頭の良さは「一定以上」で十分…株で利益を得るために伸ばすべき“能力”とは?【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「難解な投資理論」がいつも現実になる訳ではない

投資家に一定の知力が求められることはたしかですが、かといって「ずば抜けた」知力が必要な訳ではありません。あくまで「一定以上」あれば十分だといえます。いくら難解な投資理論を理解できる頭の良さがあったとしても、現実の投資では理論通りにいかないことが多いもの。そういった知識を投資に活かすにしても、限界があります。

 

そして精神力がない人は、どんな知力を備えていても上手くいきません。高学歴で仕事もできて収入も多いのに、ギャンブルにハマって身を滅ぼしてしまう人もいます。期待値が1を下回る賭け事は長く続けるほど勝てなくなってくるものですが、それがわかっていても、自分を律することができず、熱くなって賭け続けてしまうのでしょう。

 

株式市場は長い目でみると、平均で毎年金利+5~6%ずつ成長しているといわれます。ですから、とくに優れた知力を持つ訳でもないのに、インデックスファンドを保有し続け、着実に資産を増やしている人もいるのです。

 

市場平均を超えるためにはそれなりの知力も必要になるでしょうが、どれだけ知力があっても、精神力がなければ結局はインデックスファンド投資のパフォーマンスには勝てないのです。