株式投資を行う際、手元には一定以上の現金を残しておくことが重要です。株価下落時には総資産減少の歯止めになり、そうした局面で株を買うこともでき、私生活で大きな買い物が必要になったとき、そのままそれを使えるためです。本稿では株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、株式投資家にとっての「現金」の重要性について解説します。
メリットは「リスク分散」以外にも…投資家が手元に〈現金〉を残しておくべき理由【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

私生活で大きな買い物が必要になったときのためにも「現金」が重要

また、私生活でなにか大きな買い物をする必要が生じたときのためにも、手元に現金を持っておくことは重要です。

 

いざ現金が必要になったら持っている株を売ればいい、と考える人もいるかもしれませんが、そのときに株価が大きく下がっていたとしたら、売却によって必要な金額を調達できない可能性もあります。

 

安い株というのは、買ったときの判断を誤っていなければ、今後値上がりする確率が高いものです。ですから、株を売って現金を作らなければならないときは、安い株を多く売るのではなく、高い株、それも高くなりすぎて値上がりの余地が小さいと思えるような株を少量売るほうが、今後の資産運用への痛手は少なくなるかもしれません。

 

しかし、株を売って現金を作ろうと思っても、そのタイミングで株価が高いとは限りません。こればかりは運次第といえます。

 

あらゆる株が安く、「いま売るのはもったいない」という状況で泣く泣く株を売る、という状況に陥るのを避けるためにも、常に現金を一定以上残しておくことが重要なのです。