株式投資で儲けを得るには、安いときに買い、高いときに売ることが必要ですが、「安い」「高い」はどのように判断すればよいのでしょうか。本記事では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、各種指標から株の買い時・売り時を見定める方法について解説します。
低PER=「割安株」と考えるのは早計?…投資の“ビッグチャンス”をつかむ〈指標〉の活用方法【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

どの指標をどの程度重要視して判断すればよいか

基本の3指標だけでなく、自分なりのほかの指標も加えて総合的に判断したほうがいいと書きましたが、そこで「どの指標をどの程度重要視して判断すればよいか」と、迷う人もいるかもしれません。

 

たとえば、「PERは低いけど、PBRが高い」「PERもPBRも低いけど、配当利回りも低い」「現時点でのPERは高いが、過去のEPSの平均値からするといまの株価は割安にみえる」など、ある指標からは割安にみえても、別のある指標からは割高にみえる、という状況ではとくに迷ってしまうでしょう。

 

しかし残念ながら、この問いに確たる正解はありません。最終的な判断は、投資家それぞれに委ねられた領域だからです。ただし、少なくとも「あらゆる指標から判断して安い(高い)」ときにアクションを起こすのがベストだということはいえそうです。

 

たとえば「安いとき」を見分けるのならば、「ある指標では安い、別の指標では高い」というのではまだはっきり安いとはいえません。しかし、「ほとんどの、またはすべての指標からみて安い」ならば「十分に安い」といえるでしょう。こういうときこそが、投資のビッグチャンスとなるのです。

 

「どの指標をどの程度重要視して判断すればよいか」という疑問に対する正解はありませんが、複数の指標からみて「安い」「高い」が明白ならば、その判断には自信を持ってもよいのかもしれません。

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合一啓