首都圏模試センターによると、2023年の首都圏の中学受験者数は推定で6万人を超え、過去最多となったそうです。これは、小学6年生のうち「5人に1人以上が中学受験生」という計算になります。親ならば、子どもにはより良い環境で教育を受けさせたいと思うものですが、中学受験でお金がかかるのは受験期間だけではないと、石川亜希子AFPはいいます。具体的な事例を交えて詳しくみていきましょう。
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“かつかつの家計”から抜け出すには…「妻の就労」が必須

元々、あまり無駄な出費はなかったA家。ただ、支出の見直しとして下記の2点を提案しました。

 

  • 10万近くかかっている食費について「週の予算を2万円」と決めて、そこに収まるように努めること
  • 携帯電話を大手キャリアから格安SIMに乗り換えること

 

この2点だけでも、月3万円ほどの改善になります。

 

収入の見直しとしては、Aさんの妻の就労も提案しました。長女が小学校6年生になっときには、サポートのため専業主婦に戻るとしても、今から2年間、そして長女の中学入学後に、妻の年収100万円を毎年貯蓄に回すことができればかなり余裕が持てます。子どもたちがもっと大きくなれば、就労時間を増やすことも可能です。

 

また、来年からは新NISA制度がはじまります。妻の収入の一部を新NISA制度で積み立てていくこともあわせて提案しました。

 

夫婦で家計状況を共有できたことで、妻も働くことに前向きになり、なんとか貯蓄も増やしていけそうでAさんもホッと胸をなで下ろしました。

 

「子どもの意志」次第でライフプランは大きく変わる…慌てないために気をつけておくこと

子どもが小さなころは、中学受験を念頭に置いていなかったとしても、Aさんの家庭のように途中で進路が変わってくることは大いに考えられます。慌てることのないよう、教育費については長期的かつ多角的なマネープランニングが必要です。

 

また、前述のとおり、来年からは新NISA制度がはじまります。新NISA制度は、非課税保有限度額が1,800万円となり再利用も可能です。資産形成はもちろん、ライフイベントで必要なときには売却し、再度上限まで投資することもできます。

 

子どもが生まれたときから積立をはじめれば、大学入学時にはある程度まとまった教育資金となりますし、Aさんのように途中からでも、収入から毎月一定額を無理のない範囲で積み立てていき、今後のライフイベントに備えると良いでしょう。

 

 

石川 亜希子

AFP