2023年の5月に5類感染症扱いとなったことで、2020年初からのいわゆる「コロナ禍」も一区切りを迎えたといえます。世界は「パンデミック」を経験し、株式市場も「コロナ・ショック」という暴落を経験しました。このような異常事態において、株式投資家はどのような売買をするのがベストだったでしょうか? 今後似たような事態が起きた際の参考にするため、このタイミングで分析してみましょう。
コロナ禍の株式投資を振り返る…「異常事態の相場」ではどのような売買がベストか?【株式投資のプロによる具体的な回答】 (※写真はイメージです/PIXTA)

感染拡大が始まったときに売り、その後の急落時に買うのがベスト

そしてベストな売買は、「最初の感染が報告されてから暴落が起きるまでの2020年初に売り、その後の暴落時に買う」というものだったでしょう。

 

ただし、最初の感染が報告されたあと、感染が拡大しこの度のようなパンデミックとなるか、それとも感染拡大がすぐに終息に向かうかは、誰にもわからなかったはずです。したがって、そのタイミングで大きく売って成功した人は、単純に運もよかったといえそうです。

 

とはいっても、「感染が拡大するかもしれないから、(大きな割合でなくても)ある程度株を売って現金を多めに持っておこう」という判断はできたと思えますので、そんな売り方がベストだったのではないでしょうか。

 

そして、暴落した「コロナ・ショック」期間は、まさに「買い場」でした。多くの銘柄が必要以上に値を下げていましたので、このタイミングで買った人は、数ヵ月後に大きな利益を手にしたのです。

 

また、コロナによるライフスタイルの変化で明らかに今後の業績に悪影響が出る会社以外は、このあいだに売る必要もありませんでした。市場と同様に「パニック」になり、あまりにも安い値で売った人は、結局損をしたのです。

 

ウォーレン・バフェットの言葉が思い出されます。

 

他人が貪欲になっているときは恐る恐る、周りが怖がっているときは貪欲に。

「コロナ・ショック」はむしろ大チャンスだった

唯一、明らかにコロナの影響で株価が動いたと思われる時期があり、それは感染拡大初期の暴落の時期でした。

 

最初の感染が報告されてから暴落が起きるまでの2020年初に売り、その後の暴落時に買うのがベストだったのでしょう。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓