世の中、学歴ではないといわれて久しいですが、社会人の多くが実感しているのは、なんだかんだいって「学歴はすごく大事」だということ。だから我が子には、少しでも“良い学校”に行くために何でもしてあげたいと思うのでしょう。そんな親の思いから中学受験への関心は高まるばかりです。なかでも東京は「中学受験するのが当たり前」という雰囲気ですが、そこには地域差もあるようです。今回は「東京都市部」に焦点をあて、最新の中学受験事情を紐解いていきます。
東京市部「私立中学進学率」最新ランキング…1位は〈4人に1人〉が私立に進学する「受験熱がスゴイ街」 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京市部の私立中学進学率ランキング…区部平均を大きく上回る第1位は?

しかし、東京市部でも東京区部より私立中進学率が高いエリアはあります。そこで東京市部等の私立中学進学率トップ3をみていきましょう(関連記事:『東京市部&全区市町村「私立中学進学率」ランキング…<令和5年度公立学校統計調査報告書>』)。

 

3位は「狛江市」。小学校の卒業生545人のうち、104の児童が都内私立中学に進学しました。その割合は18.77%です。狛江市は世田谷区に隣接する市で、その中央を小田急小田原線が走ります。「新宿」には電車で20分前後と区部の私立中学への進学を検討しやすい距離感であるうえ、小田急沿線にも私立中学は多く点在しています。また「狛江」駅の2つ隣は、都内でも高級住宅地として知られる「成城学園前」。都内でも教育熱の高いエリアのひとつであり、その影響を大きく受けているエリアだと考えられます。

 

続いて2位は「三鷹市」で、1,514人の児童が小学校を卒業し、そのうち306人が都内私立中学校に進学しました。その割合は19.84%です。三鷹市は杉並区や世田谷区に隣接するほか、「三鷹」から「新宿」は電車で20分弱。区部の私立中学への進学も検討しやすい距離感です。市内には「法政大学中学校」「明星学園中学校」の2つの私立中学校があるほか、中央線沿線には、「早稲田実業学校」など、中学受験でも人気の学校も点在。さらに「国際基督教大学」など、多数の教育機関が立地することから、東京市部の中でも教育熱の高いエリアになっています。

 

そして東京市部等で私立中学進学率が圧倒的に高いのが「武蔵野市」。都内中学校進学者985人のうち、271人が私立中学に進学。その割合は27.32%と、小学校卒業生4人に1人以上が都内私立中学に進学しています。また区部を合わせたランキングでも「武蔵野市」は「江東区」に次いで14位にランクイン。東京62の区市町村のなかでも中学受験熱の高いエリアだといえるでしょう。市の中心となるのは「人気の街ランキング」の常連である「吉祥寺」。駅周辺には大手進学塾が集積し、中学受験に向けた環境は都内でもピカイチだといえます。また中央線で「新宿」にアクセスできるほか、京王線で「渋谷」方面にアクセスできることも、進学の幅を広げているひとつの要因だと考えられます。

 

さらに自治体ごとに会社員の平均給与を比較してみても、「三鷹市」は東京62区市町村のなかで14位、「武蔵野市」は堂々の9位。都内でも高所得世帯の多いエリアです。やはり私立中学への進学において、重要なのは「親の収入」。東京市部の私立中学進学率のランキングも、納得の結果です。