実質賃金17ヵ月連続マイナス…もう後がない日本人
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、日本人の平均給与は、月収で31.1万円、年収で496.5万円です。手取りだと独身で月23.6万円ほどになるので、年4万円の減税ということは手取りが月24万円になるイメージ。確かに、「これで何ができるのか」と聞かれたら「無いよりはマシ」と答えるほか言葉は見当たりません。
また厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果確報』によると、基本給や残業代などを合わせた1人あたりの現金給与総額は、平均で28万1,714円と去年8月と比べて0.8%増え、20ヵ月連続でプラス。しかし、実質賃金は前年比マイナス2.8%と17ヵ月連続のマイナスを記録中。すでに1年半もの間、物価高による生活苦に陥っている状況です。これでは資産運用のための“元金”を作るのも難しい、というのも頷けます。
公益財団法人生命保険文化センター『生活保障に関する調査(2022年)』によると、老後資金の使用開始年齢は平均66.8歳。ボリュームゾーンは65歳で34.2%です。ある意味、この年齢が「老後のスタート」となります。現在、公的年金の支給も原則65歳。つまり高齢者の3割強は年金をもらうのと同時に貯蓄の取り崩しも始まっているということです
老後のスタートまで、残された時間はあと1年という人もいれば、あと30年という人もいたりと、残された時間は人それぞれ。ただ「資産運用するお金がない」と泣き言をいっていられるほどの余裕すら、日本人にはありません。高齢化による財政の圧迫などを背景に、将来、年金が減額されることは既定路線。2040年代には現在の水準の8割になるといわれています。資産運用をさらに加速させていかなければ、「どう、生きていけばいいのか……」と路頭に迷うことが確実視されているのです。
とりあえず、これから浮くだろう「年4万円」で、資産運用を始めるしか解決法はなさそうです。