終の棲家として存在感が高まる「老人ホーム」。その入居に際しては、入居する本人はもちろん、ときに遊びに来るだろう家族も一緒に検討することが必要です。そんな「老人ホーム」への入居に際し、後悔を口にし続ける人も。みていきましょう。
お母さん、ごめんね…年金10万円・80代の母が「老人ホーム」で亡くなって5年、50代の娘が謝り続けるワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

人生の最期を迎えたい場所、人生の最期を迎えたくない場所

もうそろそろお迎えがくるかもしれないな……そう感じたとき、最期をどこで迎えたいですか?

 

日本財団『人生の最期の迎え方に関する全国調査』によると、最期を迎えたい場所として最も多かったのが「自宅」で58.8%。年齢別にみていくと「67~71歳」で58.0%、「72~76歳」で56.7%、「77~81歳」で62.6%でした。

 

なぜ「自宅で最期を迎えたい」と考えるのでしょうか? フリーアンサーで聞いたところ、「安心」そして「自分らしく」といったキーワードが見えてきます。

 

◆安心できる場所だから

長年暮らした愛着のある我が家で、心穏やかに最後を迎えたい(71歳・女性)

◆最期まで自分らしくいたい

自分らしく生きる、死ぬ時も自分らしく死にたい。 長年住み慣れた、自宅以外考えら れない(78歳・女性)

◆自然に死にたい

人間はその人のできる範囲の生活を自宅でつづけて管に繋がれたり、過剰な医療を受 けずに自然になくなることができそうなので(70歳・女性)

◆家族に囲まれていたい

迷惑をかけるけど家族に看取られたい(76歳・女性)

◆ 余計なお金をかけたくない

病気で入院して、色々と、費用をかけたくない(79歳・女性)

 

出所:公益財団法人 日本財団『人生の最期の迎え方に関する全国調査』より

 

では、親から「最期は自宅で」と言われたら、子は何を気にするのでしょうか? 最も多かったのが「どのくらいの期間が必要かわからない」が45.7%。「何をしたらよいかわからない」41.5%、「仕事と両立できなさそう」37.4%、「専門的な能力が必要そう」32.4%と続きます。

 

一方で、最期の場所として避けたい場所として最も多く声があがったのが「子の家」で42.1%。続いて「介護施設」が34.4%。介護施設について年齢別にみていくと、「67~71歳」で28.8%、「72~76歳」で36.1%、「77~81歳」で40.4%と、年齢が上がるにつれて確実に増えていくのが特徴です。

 

親と子で思いが交錯する「人生の最期」。しかし、気軽に話すことではないのか、親子でもあまり話題に挙ってはいないようです。人生の最期にまつわる「葬式・墓」「医療・療養」「相続」「最期の迎え方・場所」についていずれかでも話し合った経験があるかを問うと、子世代では46.2%が「まったくない」と回答。約半数の子が親の意向を把握していないといえるでしょう。