入居者による迷惑行為や入居者同士のトラブルは、貸主(物件オーナー、賃貸人)の悩みのタネです。なかには入居する先々で問題を起こす“モンスター入居者”と呼ばれるトラブルメーカーも。自身の物件にトラブルを頻発する入居者がいた場合、強制退去させることができるのでしょうか。また、トラブルを防止するために、貸主にはどのような対策が求められるのでしょうか。弁護士・溝口矢氏が解説します。
迷惑行為を防止するための事前の対策
迷惑行為を防止するための事前の対策としては、借主との賃貸借契約締結時に、想定される迷惑行為やトラブルを踏まえ、具体的な禁止行為を賃貸借契約書に定めることが考えられます。
迷惑行為やトラブルをどのように想定するうえで、たとえば、同種の物件でのトラブル事例を調べてみたり、借主の物件の使用目的を確認してみたりすることが考えられます。
ありがちなミスとして、賃貸借契約等で禁止行為が具体的に特定されていない、たとえば抽象的に「迷惑行為禁止」としか定めていないために、契約内容を理由に迷惑行為が禁止行為にあたると強く主張できないケースが挙げられます。
また、賃貸借契約上は禁止行為として定めている行為がされているにもかかわらず、貸主や管理会社が当該禁止行為を容認するような対応を取り、禁止行為を定めた意味がなくなってしまうケースも。
たとえば、「ペット禁止」の条項を設けているのに、借主のペットのためにペットフードを差し入れるケースなども目立ちます。
賃貸借契約の内容を精査し、それをきちんと理解して運用しなければ、ルールは「絵に描いた餅」となってしまいますので、十分に注意しましょう。また、賃貸経営をするにあたっては信頼できる管理会社や専門家を選ぶことも重要です。
上述のとおり、いったん賃貸借契約を締結すると退去させることが容易ではない以上、入居審査を丁寧に行い、借主の属性等からリスクがないかを検討することも有効な対策になると考えられます。
まとめ
貸主は長年にわたって多数の借主と関わっていくことになるため、いつ迷惑行為に巻き込まれてしまうかわかりません。
また、迷惑行為と一口にいってもその内容はさまざまであり、そうした行為が発生した場合には、個別具体的な事実関係も踏まえながら対応していく必要があります。
そもそも、その行為が法的に「迷惑行為」と認定できるかどうかという点や、迷惑行為に該当する場合の程度の大きさについての評価も非常に繊細であるため、「これは……」と思ったタイミングで、弁護士に相談してみることをおすすめします。
株式会社LandSitz
代表
1984年生まれ。
不動産業者のウソを見抜き、投資家を守る不動産のウソ発見器。
不動産で安定収入を確保して、「お金の不安から解放されたい人」、「本当にやりたいことを実現したい人」を支援。
祖父(元大手テレビ局取締役)から挑戦と自立を求められてきた家庭に育ち、父のドイツ駐在中(元大手総合商社副本部長)に欧州通貨統合を経験。その影響を肌で実感し、経済学とお金に興味を持つようになる。高校時代には、国際バカロレア(欧州大学入学資格)を2年間かけて取得し、帰国後は立教大学経済学部経済学科に入学。1年時から株式投資を開始。大学卒業後は、学生時代の株式投資に影響され、大手金融系シンクタンク(大和総研)に入社。大和証券・大和総研で11年間勤務後、独立。
大学生時代からクレジットカード、電子マネー、電車の回数券、各種ポイントカードを効果的に使い、少しでも使うお金を減らす努力を開始。株式投資では損失を出し、安定収入を確保できる投資商品を模索した結果、不動産にたどり着く。
「キャッシュフローの確保」を第一優先事項に掲げて不動産投資に挑み、33歳で東京23区主要駅徒歩7分以内の築浅物件を中心に最大で6棟55戸を所有(半数近くがJR山手線内側エリア)することに成功。年間賃料収入約4,400万円、キャッシュフロー1,700万円、総資産6億円超えを達成。借入金利は1.0%。その後、複数回の売買を経て現在は合計3棟33部屋を保有。残債利回り約11.4%で総資産約5億円・純資産は2億円越え。
不動産投資歴は約16年。ビジネスでは少ない労働で収入を最大化することにこだわる。目標は時給10万円。2021年からIPO/PO(年間平均当選:約50回)を中心とした株式投資に参入。学生時代に失敗した分野でリベンジを誓う。
家では、妻と協力しながら家事育児を楽しむ(8歳の長女、4歳の次女、2歳の長男)。財布の紐は固い倹約家。
資格
・宅地建物取引士
・応用情報技術者
・International Baccalaureate
株式会社LandSitz
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法律事務所Z
東京弁護士会
弁護士
2016年慶應義塾大学法科大学院卒業後、ベンチャー企業でのマーケティング等に関与。弁護士登録と同時に入所した弁護士法人Martial Artsでは、不動産分野、債権回収を中心に多数の一般民事事件や中小企業法務を取り扱った。不動産会社内で企業内法務にも携わる。
知的財産分野に関心があり、エンターテインメント関係の相談対応も手掛けている。
得意分野:不動産、債権回収、一般民事
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