(写真はイメージです/PIXTA)

入居者による迷惑行為や入居者同士のトラブルは、貸主(物件オーナー、賃貸人)の悩みのタネです。なかには入居する先々で問題を起こす“モンスター入居者”と呼ばれるトラブルメーカーも。自身の物件にトラブルを頻発する入居者がいた場合、強制退去させることができるのでしょうか。また、トラブルを防止するために、貸主にはどのような対策が求められるのでしょうか。弁護士・溝口矢氏が解説します。

迷惑行為を防止するための事前の対策

迷惑行為を防止するための事前の対策としては、借主との賃貸借契約締結時に、想定される迷惑行為やトラブルを踏まえ、具体的な禁止行為を賃貸借契約書に定めることが考えられます。

 

迷惑行為やトラブルをどのように想定するうえで、たとえば、同種の物件でのトラブル事例を調べてみたり、借主の物件の使用目的を確認してみたりすることが考えられます。

 

ありがちなミスとして、賃貸借契約等で禁止行為が具体的に特定されていない、たとえば抽象的に「迷惑行為禁止」としか定めていないために、契約内容を理由に迷惑行為が禁止行為にあたると強く主張できないケースが挙げられます。

 

また、賃貸借契約上は禁止行為として定めている行為がされているにもかかわらず、貸主や管理会社が当該禁止行為を容認するような対応を取り、禁止行為を定めた意味がなくなってしまうケースも。

 

たとえば、「ペット禁止」の条項を設けているのに、借主のペットのためにペットフードを差し入れるケースなども目立ちます。

 

賃貸借契約の内容を精査し、それをきちんと理解して運用しなければ、ルールは「絵に描いた餅」となってしまいますので、十分に注意しましょう。また、賃貸経営をするにあたっては信頼できる管理会社や専門家を選ぶことも重要です。

 

上述のとおり、いったん賃貸借契約を締結すると退去させることが容易ではない以上、入居審査を丁寧に行い、借主の属性等からリスクがないかを検討することも有効な対策になると考えられます。

まとめ

貸主は長年にわたって多数の借主と関わっていくことになるため、いつ迷惑行為に巻き込まれてしまうかわかりません。

 

また、迷惑行為と一口にいってもその内容はさまざまであり、そうした行為が発生した場合には、個別具体的な事実関係も踏まえながら対応していく必要があります。

 

そもそも、その行為が法的に「迷惑行為」と認定できるかどうかという点や、迷惑行為に該当する場合の程度の大きさについての評価も非常に繊細であるため、「これは……」と思ったタイミングで、弁護士に相談してみることをおすすめします。

 

※本記事は、「不動産業界から『あなた』を守ります」をコンセプトに株式会社LandSitzが運営する『不動産投資の裏側を知る教科書』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。