
高収入、家族思いの50歳サラリーマンの老後に暗雲
東海地方に住む大手医療系ソフトメーカー勤務の井上大輔さん(仮名/50歳)。47歳の妻(別の会社に勤務)とは、お互いが通っていたフィットネスクラブで知り合いました。井上さん一家が住んでいるマンションは、結婚と同時に購入したもので、住宅ローン完済は70歳。自慢の長女(10歳)は、系列大学のある私立中学校の入学を目指しています。
井上さんの家では、家族の誕生日や記念日をお祝いの会として企画するのが習慣になっています。ときには、井上さんや妻の両親も一緒に招くことも。「両親が共働きで、娘に寂しい思いをさせているかもしれない」と感じている井上さんにとって、長女が喜んでいる様子をみられるならという精一杯の家族サービスです。
最近、長女と妻は教師ものドラマにハマっています。「昔すごい面白い教師ドラマがあったのよ」妻が2000年代の大ヒット教師ドラマを長女に勧めました。サブスクで妻とそのドラマを完走した長女は相当影響されているようです。長女が「この前社会科の授業でも勉強したんだけど、パパは上位6%なんだね。うちは上級国民だったのか~」といいました。井上さんは親の年収で子どもがそんなことをいうのをどうかとも思ったのですが、理由はなんであれ、愛娘に尊敬されてまんざらでもありません。
50歳、いつもと違うねんきん定期便
井上さんの毎月受け取る給与からは、厚生年金保険料が天引きされています。井上さんの年収は1,310万円(月収80万円+ボーナス350万円)です。「僕は比較的高い給与をもらっているから、支払う厚生年金保険料も多いんだよなぁ。将来は高額な年金を受け取れるに違いない」そう思っていました。
しかし、現実は井上さんの期待とは程遠いもの。今回送られてきたねんきん定期便は、これまでのねんきん定期便とは違い、65歳から受け取れる年金の見込額が記載してありました。月額にすると約18万円。井上さんはガックリと肩を落とします。
「この金額では、生活できない……」
井上さんは、今後の生活設計を見直す必要があると痛感したそうです。加えて年金制度について詳しく知るため、ご夫婦で相談にこられました。