「株式投資」とは株の売買を行うことですが、だからといって、投資家はいつでも無理に売買をしなければならない訳ではありません。投資家には、「売買しない」という判断が必要な場面があるのです。本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が「なにもしない」ことの重要性について解説します。
株式投資の“3つの損失”を避けるために…ときには「買わない」という選択が重要になるワケ【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

バフェット氏は1日6時間の読書…株の売買をしない日は「情報収集」にあてる

そして、売買をしない日にもし時間を持て余すようであれば、積極的に情報収集を行いましょう。

 

決算書や企業のWebサイト、会社四季報などでさまざまな業界・企業について知見を深めるのもよいでしょうし、書籍などで投資・金融・経済・ビジネス・経営など広範囲の教養を身につけるのもよいでしょう。たとえばあるメーカーの株が気になっているのであれば、理工系の勉強をしてその製品についての知識を深めることも重要です。

 

勉強したからといってすぐに儲かる株をみつけられるようになる訳ではありませんが、少なくとも、企業が発表する新商品や新サービスの「価値」についての判断ができるようになるでしょうし、その繰り返しは、良い株をみつけるために欠かせないステップになり得ます。

 

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、1日に6時間読書をするといいます。同氏は、「投資家として成功するにはなにをするべきか」と質問されると「手あたり次第、読むことです」と答えたそうです。

 

投資には多角的な視点が必要です。バフェット氏ほどの投資家であっても勉強を重ねているのですから、売買しない日は、その余った時間を投資のための情報収集に存分に活用すべきでしょう。

売買しない日に浪費をするなら、そのお金は証券会社の口座に

また、売買しない日にもし時間があったとしても、絶対に避けるべきは「浪費」です。

 

たしかに、暇を持て余してお金を使ってしまう、大好きな株を買わない代わりにほかの商品・サービスを買ってしまう、という気持ちはわからなくはありません。むしろ、仮にそれが少額ならば、良い気晴らしになる側面もあるかもしれません。

 

しかし、株を買えるほどのロットのお金を、「暇だから」「使わないと気が済まないから」と、さして必要でもないものに投じてしまうのは、投資家が取るべき行動ではありません。

 

たとえその日に買う株がなくとも、別の日には買う株が現れるはずだからです。そうした株に出会う前に資金を浪費してしまったのでは、急にチャンスが訪れたとき、悔しさに下唇を噛むことになります。

 

株ならば、買えば売却益や配当金を得られる大きな可能性があります。しかし浪費をすれば、それがなくなってしまうことは確実です。ですから、売買しない日は、株以外に浪費をしてしまうのではなくて、そのお金を使ったつもりになって証券会社の口座に入金してしまうことが、もっとも賢明な行動といえるかもしれません。