俺たち苦労したよな…何かと昔話をしたがる「氷河期世代」の呪縛
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマン(正社員)の平均給与は月収で40.0万円、年収で658.4万円。20代前半で月収23.5万円、年収348.6万円だった給与は、年齢を重ねるごとに上昇し、50代後半で月収52.5万円、年収857.6万円でピークに達します。
一方、大卒の非正規社員の平均給与は月収で28.9万円、年収で418.5万円。20代前半で21.4万円、年収293.8万円だった給与ですが、50代になっても月収30万円に届かず、年収は50代後半にしてやっと400万円に到達します。
正社員と非正規社員の給与差が一番広がるのは、40代後半~50代前半。ちょうど氷河期世代にあたります。40代後半正社員の平均年収は756.4万円。対して、40代後半非正規社員の平均年収は352.5万円で、正社員の46%。そして50代正社員は年収832.7万円。対して、50代非正規社員はの平均年収は364.8万円。40代後半よりも低い、正社員の43%です。
勝ち組と負け組の差も大きい……氷河期世代には、そのような一面もあります。ただ勝ち・負けどちらにせよ、多くの人が今では考えられないような苦労をしてきたわけです。そのため、事あるごとにこんなひと言を言いがち。
ーーあの頃は、大変だったよな
ーーいまは、あの頃と比べて恵まれてるよ
ーー最近の人はラクし過ぎ。もっと苦労しなきゃ
40代後半から50代前半の上司。昔を懐かしむ苦労話は、もはや常套句。「耳にタコができた」と嫌悪感を覚える若者世代も多いようです。
ーー氷河期世代、どれだけ同じ話をするんだよ
ーー氷河期世代の苦労話……何週目ですか?
同じようなことを言った覚えがあったり、若手社員にそう思われていると心当たりがあったりする氷河期世代も多いのでは。そろそろ氷河期世代の呪縛から解放されてても良い時かもしれません。