人生一番の買い物が一番無駄だった…30代サラリーマンの告白
ローン負担を考える際の目安となるのが、前出の返済負担率。20~25%が理想で、年収400万円以上であれば、35%が上限というのが通説。この場合の年収は世帯年収で語ることが多いようです、その場合の年収負担率20~25%というのは、結構、家計はツライという専門家も。
そこで世帯主の収入だけで返済負担率17.4%を実現しようと考えると、返還返済額148.1万円から逆算すると年収854.5万円となり、賞与が平均4ヵ月から鑑みると月収53万円のサラリーマンとなります。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、30代後半サラリーマン(正社員)の平均給与は34.1万円、中央値は31.3万円です。年収53万円に達する30代後半のサラリーマンは、全体の5.5〜8.7%とかなりの少数派。余裕のあるローン返済を実現できるのは、限られた勝ち組しかいない、ということのようです。
そんな勝ち組サラリーマンですが「人生で一番無駄な買い物」として「8,000万円で買った新築マンション」と挙げた30代のサラリーマン。夢のマイホームを「無駄」と切り捨てるのは、なぜなのでしょうか。
話は単純なことで、せっかく買った新築マンションに1年も住んでいなかった、というのです。その理由は「離婚」。マンション購入後すぐに、夫婦仲が険悪となり、半年の別居の末、別れたといいます。出ていった奥さんに至っては、半年も住んでいないことになります。
幸い、マンションは売却し、収支はトントン。財産分与などややこしいことなく別れることができたとホッと胸を撫でおろしています。
離婚時、住宅ローンが残っているということはよくある話。売却して収支がプラスになるアンダーローンなのであれば、財産分与して終了。売却しても収支がマイナスとなるオーバーローンの場合、住み続けるというのが一般的。このとき実際に住む人とローンの名義が誰なのかが問題で、よくあるのが返済義務は夫で妻が住み続けるというケース。夫がローン返済と自身が住む住まいの家賃と、2重の住居費を払う場合、想像以上に家計は圧迫。ローンの返済が滞り、最悪、マンションは差し押さえになることも考えられます。
住宅ローンが残った状態での離婚は、財産分与などややこしいことになりがち。最良な形で終わらせられるよう、専門家のアドバイスももらいながら進めることが重要です。