マイホーム購入者の平均年齢は40歳。そこから始まるローン地獄は平均30年超の長丁場です。大きな負担を感じながらも、なんとか完済した後、「悠々自適の老後生活が待っている」と思いきや、大問題が立ちはだかります。詳しくみていきましょう。
3,700万円・30年ローンでマイホームを建てた40歳サラリーマン…〈返済地獄〉の先に待ち受けていた「悲しい老後」 (※写真はイメージです/PIXTA)

40代の6人に1人が住宅ローンを抱えている

人生の三大出費といえば、子どもの教育費、老後資金、そして住宅購入。住宅の価格はピンキリですが、一般的なものでも数千万円。購入する人のほとんどが、住宅ローンを利用しています。

 

金融広報中央委員会『令和4年家計の金融行動に関する世論調査』によると、20.4%の世帯に借入金があり、年代別では40代がもっとも借入を行っている世帯の割合が高く、3人に1人という水準。借入の目的としてもっとも多いのが「住宅の取得または増改築などの資金」で47.8%でした。

 

住宅購入の一次取得者層にあたる30~40代にかけては、6人の1人の割合で住宅ローンを抱えていることになります。

 

【年代別「借入あり」の割合と、住宅関連での借入の割合】

20代:24.0%/22.0%

30代:25.6%/47.6%

40代:26.0%/55.1%

50代:25.7%/52.5%

60代:16.3%/44.3%

70代:10.1%/33.9%

 

出所:金融広報中央委員会『令和4年家計の金融行動に関する世論調査』より

数値左:借入ありの割合、数値右:(借入ありと回答した世帯のうち)住宅の取得または増改築などの資金で借入をしている割合

 

実際にどれほどローンを活用しているのか、国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』をみていくと、「新築注文住宅(土地を購入し住宅を建てる)」では平均購入資金4,713万円のうちローンは3,772万円、「新築分譲戸建て(一次取得者)」では平均購入資金4,074万円のうちローンは3,205万円、「新築分譲マンション(一次取得者)」では平均購入資金5,048万円のうちローンは3,610万円。いずれも世帯主の平均40歳前後で、30年を超える返済期間を設定しています。

 

「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、日本の40代前半のサラリーマン(正社員)の平均給与(所定内給与額)は33万3,000円。残業代や賞与も含めた年収は推定540万6,000円です。適正な返済負担率は20~25%前後とされていますので、平均的な会社員の場合、返済額は108万円ほど、月9万円前後になるようにローンを組むというのが、1つの基準といえそうです。