賃貸暮らしにかかる住居費は、首都圏の平均で9万円強。「家賃の支払いがキツイ」と感じる人は、約半数に上るといいます。もし家賃が払えなくなったとしたら、若い層には「実家に帰る」という選択肢もあるでしょうが、頼る人のいない単身高齢者は、どうすればよいのでしょうか。詳しくみていきます。
元・会社員の単身高齢者「家賃が払えない」…〈年金月10万円〉でギリギリの賃貸暮らし。引っ越しもできず“八方ふさがり” (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者というだけで審査落ち…引っ越しもできず「八方ふさがり」

総務省『家計調査 家計収支編』(2022年平均)によれば、単身高齢者の持ち家率は84.3%。つまり、6~7人に1人が賃貸暮らしをしているという状況です。

 

ただ、高齢者の賃貸暮らしには高いハードルが存在することは、多くの人が知るところ。

 

上にみた『日管協短観』で、「高齢者に対する拒否感」について不動産オーナーに聞いた項目をみてみると、およそ4人に1人、23.7%が「高齢者に対して拒否感あり」と回答しています。その背景には、「居室内での死亡事故等に対する不安」や「賃貸の支払いに対する不安」があると考えられています。

 

毎月の家賃の支払いに苦しむ賃貸暮らしの世帯には、家賃を数ヵ月続けて滞納してしまい、強制退去させられてしまうリスクが付きまといます。ならば、そんな事態に陥る前に「家賃の安い部屋に引っ越そう」と考えたとしても、上にみた通り「高齢者」というだけで審査に落とされてしまうケースが多く、まさに「八方ふさがり」という状況に追い込まれているのです。

 

収入は、最低限の生活を維持するのがやっとの年金のみ。十分な貯蓄もなく、突発的に医療費などの支出が発生したら「もう家賃が払えない」……。そんな最悪の結末を迎えないためにも、老後の単身・賃貸暮らしの可能性が少しでもあるのならば、そうしたリスクを見据え、計画的に資産形成を行うなどの対策を講じておくことが必須といえます。

 

それでも「家賃が払えない」という状況が目前に迫ってきたら、どうすればよいのでしょうか。

 

まずは家主に相談し、支払いの意思があることを伝えておくことが重要です。そうした意思表示を行えば、一定期間家賃の支払いを猶予してもらえる可能性がありますから、その上で親族や連帯保証人に相談し、支払いのためのお金を工面する方法を考えましょう。

 

それでも解決しなければ、行政に頼ることになります。国は、高齢者や失業者などを対象とした公的融資制度を用意しており、地域の社会福祉協議会に相談すれば、「総合支援資金」や「緊急小口資金」など、家賃の支払いにも活用できるセーフティネットを利用できるかもしれません。

 

いずれにしても、家賃が払えないときにもっとも取ってはいけない行動は、「誰にも相談しない」こと。少しでも家賃滞納の懸念がある場合は、少しでも早く親族や行政機関に相談を持ちかけることが重要です。