夫を亡くした妻「迷惑をかけたくない」と老人ホーム入居を検討
厚生労働省『令和4年国民生活基本調査』によると、介護が必要になった家族を主に誰が介護をするかといえば、「同居する家族」が全体の45.9%。その内訳をみていくと、最多は「配偶者」で全体の22.9%。「子ども」は16.9%、「子どもの配偶者」が5.4%と続きます。
平均年齢から考えると、まずは夫を妻が介護し、夫が亡くなった後、妻(母)の介護を子どもたちがする……そんな順番でしょうか。
しかし、夫を亡くし、妻(母)も介護が必要となったとき、介護の大変さを知っているだけに「子どもたちには迷惑をかけたくない」と、老人ホームへの入居を検討するケースは多いといいます。
老人ホームといっても、種類はさまざま。施設数が最も多いのは「介護付き有料老人ホーム」。要介護1以上が対象という施設が多く、自立できる人や要支援の人を受け入れてくれる施設は少なめです。
また「住宅型有料老人ホーム」は、自身にあった介護サービスを自由に選択したい、という人におすすめ。自立できる人を受け入れてくれる施設もあり、夫婦で入居する人も多いといいます。
まだ介護が必要ではないけれど、1人暮らしに不安を抱えているなら「サービス付き高齢者向け住宅」。自立している人から要介護5の人まで、幅広く受け入れてくれます。ただし重度の認知症や看取り介護に対応していない施設は多く、未対応の施設の場合は退去する必要に迫られます。
これら3つは民間施設で、近年、老人ホームのニーズの高まりとともに急増しています。気になるのは費用。まずは初期費用となる「入居一時金」。これは家賃の前払いみたいなもので、相場はピンキリですが、最近はゼロ円というところも増えています。そして月額費用。これは受けるサービスによって大きく変わりますが、「介護付き有料老人ホーム」であれば月14万円程度~、「住宅型有料老人ホーム」であれば月8万円程度~、「サービス付き高齢者住宅」であれば月10万円程度~というのが相場です。