安定性と成長性を兼ね備え、長期的に株価が上昇し続けている超優良企業は、少ないながらも存在します。ただ、そういった会社に投資し、恩恵を受け続けるには、いくつかのハードルを越える必要があるといいます。本記事では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、超優良企業への投資の難しさについて解説します。
基本的には割高な「超優良企業」の株…稀に訪れる〈絶好の買い時〉とは?【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

人気と将来への期待のため割高になっている

投資についてある程度勉強し、利益を出そうと真剣に考えている人ならば、超優良企業の株を買おうとしてためらった経験が、一度はあるのではないでしょうか。

 

その理由は、超優良企業の株は、基本的には割高になっているためです。

 

超優良企業は有名で人気があるため、株も買われ、すでに割高の状態にあることが多いのです。今後もさらに利益を出し続け、純資産を積み重ねていくだろうという将来への期待も加わり、いっそう割高になりがちです。もちろん、そういった理由で株価にプレミアがつき、割高となるのは仕方がありません。

 

それでは、その「プレミア」とは、一体どこまでが妥当で、どこからが過剰なのでしょうか?

 

過剰なプレミアがついているにもかかわらず現値で買ってしまい、後から市場が「割高だった」という判断をして株価が下落してしまえば、損失を被ることになります。割高な優良企業への投資には、そういった難しさがあるのです。

 

そして当然のことながら、もっとも大きな利益を得るのは、その企業がまだ無名で、現在の評価を獲得していなかったころに買っていた人たちだという訳です。

ほかの銘柄に投資をしたほうが儲かる可能性も

もちろん、いまからそういった銘柄を買ったとしても、長く持ち続けることで恩恵を受けられるかもしれません。

 

ただそのためには、前述の通りすでに割高になっている株価が一時的に下落したとしても耐え忍び、長期的な株価上昇を待ち続ける必要があります。かなりの精神力が求められるかもしれませんが、有名で人気のある会社ですから、「好きだから買いたい、持っていたい」という気持ちを強く持ち続けるほかありません。

 

しかし実は、ほかの銘柄に投資をしたほうが儲かる可能性も十分にあります。

 

前述の通り、超優良企業の株は基本的に割高になっており、買い時によっては大幅な下落のリスクを抱えがちです。そんなリスクがあっても買いたくなるのが、超優良企業ですが、しかしながら、それにこだわりすぎずほかの銘柄を買ったほうが良い結果につながるかもしれないということは、意識しておくべきでしょう。

挽回可能なトラブル・市場全体の暴落のときが購入のチャンス

ただし、上にみたようなリスクを被ることなく超優良企業を買えるチャンスが訪れることが、稀にあります。

 

1つは、その企業が何らかのトラブルを起こし、株価が急落したとき。それが挽回可能であり、やがて元通りの収益力を取り戻すということが前提ですが、もしそうであれば、その下落は絶好の買いチャンスです。

 

また、コロナショックやリーマン・ショックのように、市場全体が暴落したときもチャンスといえます。こうした事件・事故が起これば超優良企業の株もさすがに下落しますので、これも同様に絶好の買い時といえそうです。

 

上の2つは、普段割高になっている超優良企業が大特価で売られているようなもの。このタイミングで買えれば、長期投資前提で割高時に買うよりも、短い期間で、大きな利益をねらいにいけます。

 

また、その後も含み益を得て安心して持ち続けられる可能性が高まります。