家族のカタチ…「親と未婚の子」が増えているワケ
厚生労働省『2022(令和4年 国民生活基礎調査』によると、5,431.0万世帯のうち、「単身世帯」は1,785.2万世帯(全世帯の32.9%)、「夫婦のみの世帯」は1,333.0万世帯(全世帯の24.5%)、「夫婦と未婚の子のみの世帯」1,402.2万世帯(全世帯の25.8%)、「ひとり親と未婚の子のみの世帯」は366.6万世帯(全世帯の6.8%)、「三世代世帯」は208.6万世帯(全世帯の3.8%)。世帯当たりの平均世帯人数は2.25人でした。
そして65歳以上がいる高齢者世帯は2,747.4万世帯で、全世帯に占める割合は31.2%。3世帯に1世帯は、65歳以上の高齢者がいる家族です。その割合は急激に増加していて、2001年調査では14.6%でしたが、2004年17.0%、2007年18.8%、2010年21.0%、2013年23.2%、2016年26.6%、2019年28.7%。そしてとうとう、30%を突破しました。
そんな高齢者世帯、その31.8%は「単身世帯」。「夫婦二人暮らし」は32.1%、「親と未婚の子のみ」は20.1%、「三世代世帯」は7.1%。2001年と比較すると、「単身世帯」は19.4%から12.4ポイントアップ、「夫婦二人暮らし」は27.8%から4.3ポイントアップ、「親と未婚の子のみ」は15.7%から4.4アップ、そして「三世代世帯」は11.6%から4.5ポイントダウンしました。サザエさん的な家族はぐっと減って、その分、おひとり様など、その他の家族のカタチが増えました。
なかでも最近、増えているといわれているのが「親と未婚の子のみ」。2020年国勢調査において、男女の生涯未婚率(50歳時未婚率」は男性で28.3%、女性で17.8%。2000年以降、急激に増え、いまや男性の3人に1人、女性の6人に1人は生涯独身です。未婚率の上昇に伴い「実家暮らし」も増えましたが、もうひとつ「親と未婚の子のみ」の世帯の増加にひと役買ったのが、離婚率の上昇。いわゆる「出戻り」の増加です。
日本の離婚率は1,000人当たり1.5といわれています。件数自体は婚姻数の減少で2000年代初頭をピークに減っているものの、女性の経済的自立が進み、離婚に対して抵抗感が薄れたことをきっかけに、離婚に踏み切るケースが増えているとか。
ちなみに、日本では「夫婦の3組に1組が離婚している」という話をよく耳にしますが、これは単純に婚姻数を離婚数で割っただけの数値なので、少々意味合いが異なります。離婚において昨今のトレンドといえば、熟年離婚の増加。「20年以上連れ添ったあとの離婚」は、離婚件数の20%程度と、5件に1件の割合。2008年に始まった年金分割制度も、熟年離婚を増やすきっかけになったといわれています。