現役引退後、いったいどれくらいの年金をもらうことができるのか……参考までに、いま年金を受け取っている人たちに受取額を聞いたら、少々引いてしまう回答が返ってくるかもしれません。みていきましょう。
「年金、月にいくらもらっていますか?」…日本の高齢者、衝撃回答を連発 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金、少なっ!それでも「日本人なら大丈夫」といえるワケ

もちろん「会社員の夫と専業主婦の妻」とか、「自営業の夫と会社員の妻」など、いろいろなパターンの家族のカタチがあります。そのような事情も考慮していないので、「年金受取額が少ない=暮らしていけない」というわけではありません。実際に「年金が少なくて生きていけない……」という高齢者は少数派。それに日本人は大の貯金好きなので、老後を見据えてしっかりと貯めこんでいる人が多数派。年金生活に突入しても、なんだかんだいってやっていけるようです。

 

総務省『家計調査 貯蓄・負債編』(2022年平均)と、調査世帯(世帯人員:2.91人、世帯主の年齢:59.7歳)の平均貯蓄額は1,901万円、負債は576万円。貯蓄から負債を引いた純貯蓄額は1,325万円です。

 

さらに日本人の特徴として、持ち家率の高さが挙げられます。現在、60%程度といわれていますが、年齢が上がるとともにその割合は上昇し、年金世帯の8~9割は持ち家といわれています。持ち家でも維持費はかかるものの、賃貸よりは月々の支出は少ないはず。

 

同じく家計調査で、持ち家世帯(世帯人員:2.91人、世帯主の年齢:61.3歳)についてみていくと、平均貯蓄額は2,043万円、負債額は658万円、純貯蓄額は1,385万円です。さらに1988年以前に家を建てた世帯(世帯人員:2.56人、世帯主の年齢:70.7歳)についてみていくと、平均貯蓄額は2,139万円、負債額は110万円、純貯蓄額は2,000万円超えとなります。

 

一生懸命働き、貯蓄に励み、家を建て……そんな日本人らしい人生設計のもと生きていけば、年金が少なくても、大半の人は「老後は安心して暮らしていける」といえそうです。