私大の雄に数えられる慶應義塾大学と早稲田大学。それらの大学に関連する学校であれば難関私大にエスカレーターでいけるという魅力から、中学・高校受験においても人気校のひとつに数えられます。しかし勘違いしている親子も多いと関係者。みていきましょう。
〈早稲田大学〉を目指した中学受験組の親子「内部進学」の落とし穴に仰天 (※写真はイメージです/PIXTA)

中学受験に挑む親子…「早稲田大学」を見据えるなら

ではもうひとつの私立の雄、早稲田大学についてみていきましょう。

 

早稲田大学を目指すなら、中学は

 

「早稲田大学高等学院中学部」→「早稲田大学高等学院」

「早稲田実業学校中等部」→「早稲田実業学校高等部」

「早稲田中学校」→「早稲田高等学校」

「早稲田佐賀中学校」→「早稲田佐賀高等学校」

 

の4パターンのほか、高校からは

 

「早稲田大学本庄高等学院」

「早稲田摂陵高等学校(中学校は令和3年から生徒募集を停止)」

「早稲田渋谷シンガポール校」

 

があります。ここで注意したいのが、早稲田大学の場合は、その中学・高校には付属校と系属校があり、各々の学校ごとに大学への推薦枠が異なること。「早稲田」という名前がついているからといって、慶應義塾大学のようにほぼ内部進学が約束されている、というわけではありません。

 

付属校は「早稲田大学高等学院」と「早稲田大学本庄高等学院」の2校。経営母体は早稲田大学と同一で、推薦枠はどちらも約100%です。

 

系属校は、学校名称に 「早稲田」はつきますが、経営母体は別法人。理事、事務局長等は早稲田大学より派遣されます。推薦枠は、「早稲田実業学校高等部」は約100%、「早稲田高等学校」は約50%、「早稲田渋谷シンガポール校」約80%、「早稲田摂陵高等学校」は約10%、「早稲田佐賀高等学校」は約50%(早稲田大学ホームページより)。

 

「早稲田と名がついているのだから、早稲田大学にエスカレーターでいける」と勘違いしている親子は意外と多いと関係者。何も知らずに受験対策を進め、事実を知って「えっ⁉」とビックリ仰天。志望校を変更するというケースも珍しくないといいます。

 

たとえば「早稲田中学校・高等学校」。早稲田大学と近接し、中学受験では一番偏差値が高い学校。てっきり大学とも一番密な関係で「早大入学への近道」かと思いきや推薦枠は50%しかないのです。一方で2023年、高校卒業生315人のうち「東京大学の現役合格者」は31名と、大学進学校という一面も。どちらにせよ、難関大学を見据えた中学受験を考える親子にとって、有力な志望校であることに変わりはないようです。