国土交通省の調べによると、初めて分譲マンションを購入する世帯主の平均年齢はおよそ40歳。物件価格の2~3割に相当する自己資金を用意しようと思えば、それくらいの年齢になるのが自然です。ただ40歳時点で30年の住宅ローンを組むことには、当然リスクがあります。かといって、30歳で全額ローンでマイホーム購入に踏み切ることも、正解とはいえなさそうです。それぞれのメリットとデメリットを比べてみましょう。
マンション購入者の平均的な頭金〈約1,400万円〉…「貯まるまで待てない」30歳・会社員の“しんどすぎる”住宅ローン返済負担 (※写真はイメージです/PIXTA)

初めてマンションを買う世帯主の平均年齢はおよそ40歳

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』によると、初めてマンションを購入する世帯主の平均年齢は39.9歳。会社ではそれなりのポジションに就き、給与水準も高まる40歳前後のタイミングで、マイホーム購入の決断を下す人が多いようです。

 

直近では、建築資材の高騰や建設現場の人手不足などの要因でマンション価格が値上がりしており、また続々と登場する「億超え」の超高級マンション市場を富裕層が賑わせていることから、分譲マンション購入者の平均世帯年収は923万円にまで上がっています。ただ、注文住宅や分譲戸建て購入者の世帯年収を参考に、あくまで「一般人」に焦点をあてると、マンションを買っているのは年収700万円程度の世帯が中心だと考えるのが妥当といえそうです。

 

また、同調査によるとマンション購入者の住宅ローンの返済期間は平均32.0年。平均年齢で購入するとなると、完済時期は70歳を超えることに。現役引退後、年金生活に入ってもローン返済に追われていると考えると、少々不安が残ります。できることなら30代でマイホームを実現し、65歳までにはローンを返し終えたいところです。

 

しかし、そこで考えなければならないのが頭金です。

 

前出の調査では、三大都市圏におけるマンションの平均購入資金は5,048万円で、そのうち頭金は1,438万円。マイホーム購入にあたっては、物件価格の2~3割の頭金を入れるのが常識ともいわれますが、実態をみてみても、マンション購入者は平均28.5%の自己資金を用意していることがわかります。

 

30年超のローンを組むとなると、完済時期から逆算して30代前半で購入するのが望ましいのかもしれませんが、約1,400万円もの自己資金を用意するとなると、必然的に購入できる年齢は40歳になってしまうということでしょう。