子どものいない夫婦の増加…一番の理由は?
2022年の日本の婚姻件数は50万4,878組。前年の50万1,138組から微増したものの、婚姻数は減少傾向にあります。結婚適齢期となる若年層が減少していること、そもそも結婚への価値観の変化、さらに経済的な状況から結婚へと踏み切れない若年層の事情などが関係しているといわれています。
また初婚女性の平均年齢は29.4歳、男性は31.0歳と、こちらは緩やかに上昇傾向。晩婚化が進んでいます。ちなみに「男性が年上」が約半数で、最も多い年の差は3歳差だといいます。
どんどん後ろ倒しになる初婚年齢。結婚が遅くなれば、出産に対しての考え方は変わり、「理想の子どもの数」「予定の子どもの数」も変わっていきます。
国立社会保障・人口問題研究所『出生動向基本調査』によると、最新2021年で、理想は2.25人、予定は2.01人でした。1997年調査と比べて、理想は0.28人、予定は0.15人の減少です。
同調査ではさらに、予定子ども数が理想子ども数を下回る夫婦に対し、「理想の数の子どもを持たない理由」を尋ねています。それによると、ほしいけどできないなどのやむ得ない事情や、高年齢での出産を望まないなどの理由を抑え、トップは「お金」。子育てにお金がかかるのは当然ですが、それを許容できるだけの収入がない……ということなのでしょう。
【理想の数の子どもを持たない理由(複数回答)】
・子育てや教育にお金がかかりすぎるから:52.6%
・高年齢で生むのはいやだから:40.4%
・ほしいけれどもできないから:23.9%
・これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから:23.0%
・健康上の理由から:17.4%
・自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから:15.8%
・夫の家事・育児への協力が得られないから:11.5%
・家が狭いから:9.4%
・夫が望まないから:8.9%
・自分や夫婦の生活を大切にしたいから:8.2%
・末子が夫の定年退職までに成人してほしいから:6.7%
・子どもがのびのび育つ環境ではないから:5.0%
出所:国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査』