放置すると、慢性的な痛みから「人工股関節」になるケースも
知らず知らずのうちに発生している臼蓋形成不全。放置すると、いったいどのようなリスクがあるのでしょうか。
中高齢になってからじわじわと痛みが…
現在は、乳幼児検診の際に臼蓋形成不全の疑いがある子どもは指摘されることが多いため、重症のまま気づかずに成長するということはほとんどないと思われます。
しかし、現在中高齢の人の場合、幼少時代に受けた検診はいまほど充実しておらず、臼蓋形成不全が見逃されてしまったことも少なくありません。
知らず知らずのうちに臼蓋形成不全を発症している場合、乳児期のころから自覚症状が現れることはほとんどありません。しかし、思春期に活動量が増加したり、出産を機に体重が急激に増加したりすると、臼蓋に過剰な負荷がかかることになり、関節軟骨が少しずつ傷んでしまいます。
その結果、軟骨に傷がついてすり減り、軟骨の変性が始まることで、中高齢になって「変形性股関節症」を発症します。やがて骨同士がぶつかり合って変形したり、関節周辺に骨棘(こつきょく)とよばれる異常な骨組織が作られたりして、慢性的な痛みを発症させてしまいます。
変形性股関節症が進行すれば、いずれ人工股関節に置換しなければならないこともあります。幼少期に発症した疾患が、数十年後、思わぬ形で顕在化することも少なくないのです。
こんな症状があったら臼蓋形成不全かも
ご自身が臼蓋形成不全かどうか簡単に調べたい方は、ぜひ以下のことを試してみてください。もし、どちらかに当てはまれば臼蓋形成不全の可能性があります。
・微妙に片足をひきずるような歩き方をしている(あるいは、そのように他人から指摘されたことがある)
臼蓋形成不全の人は必ず変形性股関節症を発症するかというとそうではなく、変形性股関節症まで至る人は臼蓋形成不全の人の約1割とされています。
しかし、日本人女性の約7割が臼蓋形成不全とされており、母数が非常に大きいため、変形性股関節症を発症する人が多いのも事実です。将来のリスクを考え、ぜひ1度、股関節のレントゲン検査を受け、臼蓋形成不全かどうかチェックしてみるといいでしょう。
狩谷 哲
東京ヒップジョイントクリニック
院長
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