減築リフォームした家に仲良く暮らす老夫婦
現役時代は国家公務員だったAさんは、60歳で定年退職したあとは特に仕事もせずに専業主婦だった奥様とのんびりとした生活を送っていました。Aさんは現在64歳。5年前に1人娘を嫁に出し、62歳の奥さんと地方の一軒家に夫婦2人で住んでいます。Aさん夫婦はなかなか子宝に恵まれず、結婚8年目にできたこのお嬢さんを目に入れても痛くないといった様子で可愛がってきました。
現役時代は常に仕事が忙しかったAさんは、残業で毎日遅かったこともあり、育児は妻に任せ、娘さんにはやりたい習い事をさせたり、欲しいものがあったら買ってやったり、と自由にさせてきました。
しかし、現役時代は年収1,000万円だったAさんも、奥さんは専業主婦だったため国民年金しかありません。「老後は慎ましい生活を送っていこうね。そうすれば年金だけでも足りないということはまずないよ」と話し合っていたところです。光熱費も節約できるようにと、2人で住むには広すぎた家を、定年退職後には減築して終の棲家としてリフォームしたばかりでした。
<Aさんの現在の家計状況>
・貯金:約2,500万円
・住まい:持ち家 築32年、定年退職後にリフォーム(住宅ローンなし)
・65歳からの受給予定の年金月額
Aさん……約21万円(基礎年金含む)
妻……約6万7,000円(国民年金のみ)
・毎月の家計支出:19~22万円程度
ちなみに総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると2人以上の世帯の1ヵ月の消費支出は次のようになっています。
年金受給までは預貯金を取り崩しながらの生活ですので、奥さんも節約しながら頑張ってきましたが、それでも昨今の電気代や食料品の大幅値上げは、収入のない老夫婦には恐怖です。
特に電気代は夫婦共働きの家庭であれば日中は家に誰もいなくなり節約もできますが、高齢者はほとんど家にいるケースが多く、減築したとはいえ、今年のような猛暑の夏にはエアコンもフル稼働で、光熱費に頭を痛めるご家庭も多いでしょう。