継続的な超低金利と、物価上昇が見込まれる現在の日本において、資産運用の重要性はかつてないほど高まっています。しかし「投資」に高いハードルを感じ、なかなか資産運用を始められない人も多いようです。本稿では、テクニカル分析の解説サイト『テクニカルブック』を運営する株式会社アドバンの代表取締役・田中勇輝氏が、資産ポートフォリオ「現預金100%」の39歳・会社員を例に挙げ、投資デビューを考えている人が押さえておくべきポイントについて解説します。
投資家デビュー大調査!投資金額は「100万円未満」が半数、投資したのは「国内株式or投資信託」が圧倒的だが…初心者が注意すべき<6つのポイント>とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

初心者が注意すべき6つのポイント

今回は投資には興味があるものの、リスクを過度に恐れてデビューできていない佐藤さんのエピソードを通じ、投資を早期に始めることの重要性を説明してきました。ただし、コントロールできるとはいえ投資のリスクを0にはできないということも忘れてはいけません。最後に、投資デビューにあたり押さえておきたい6つのポイントを紹介します。

 

・大きな資金を投入する必要はない
投資に投入する資金が増えれば増えるほど、リスクは高まります。投資は少額でも始められますから、いきなり大きな資金を投じる必要はありません。とくに初心者のうちは資金を抑えて、知識と理解が深まるとともに金額を増やしていくのがいいでしょう。
・大きな利益をねらいすぎない
投資では基本的に、大きな利益を得るには相応のリスクを取る必要があります。大きな利益をねらうということは、同時に大きな損失を被る可能性があるということです。早く資金を増やしたいと思うあまり、過度なリスクを取ることのないようにしてください。
・相場の短期的な変動に一喜一憂しない
相場の細かい動きを完璧に予測できる人はいません。日々の価格変動に一喜一憂していては、精神的に疲れてしまい、余計な損失を出すことにもつながります。長期的な視点で、余裕を持った気持ちで投資をすることが大切です。
・仕組みを理解せずに投資しない
自分が投資する対象について理解することは必須です。自分がどんなリターンをねらって、どんなリスクを負っているのかが明確になっていないと、想定しない大きな損失を招いてしまうかもしれません。たとえば権利を売買するオプション取引の場合、売りで入ると損失が無限に拡大する可能性があります。このように、仕組みが分かりにくい商品は、理解できないのであれば手を出さないことが鉄則です。
・レバレッジのかかる投資に注意する
信用取引やFXなど、レバレッジ取引ができる投資は、相場状況によっては元本を上回る損失が発生することがあります。挑戦する場合は、あらかじめロスカットの基準を定めておくなど、リスク管理を徹底することが大切です。
・無理ないペースで投資する
短期的に利益を挙げ続ける必要のあるプロは日々、複雑な取引を行っています。しかし、一般投資家は難しいことをせず、自分のペースで運用することが重要です。投資のプロが運用を代行してくれる投資信託など、負担の少ないものから始めて、徐々に金額を増やしたり新しい商品に挑戦したりしながら、投資の幅を広げていくといいでしょう。

 

投資にはリスクが伴いますが、これらのポイントを押さえておけば、投資を過度に怖がる必要はありません。まずは少額から投資を始め、経験を積む中で投資スキルを磨いていくことが重要です。