(※画像はイメージです/PIXTA)

減価償却は、「耐用年数」に応じて行わなければなりません。耐用年数は資産の種類だけでなく、新品か中古かによっても異なります。本記事では、税理士法人グランサーズ共同代表・税理士の黒瀧泰介氏が、減価償却の耐用年数について、資産ごとに一覧表とともに解説します。あわせて、減価償却の償却率の計算方法、償却が終わったらどうなるのかといった関連事項についても、わかりやすく解説します。

目次
1. 減価償却における「耐用年数」とは
1.1. 耐用年数の調べ方—省令で定められている
1.2. 耐用年数が終わったら「1円」になる
2. 主な償却資産の耐用年数【一覧表付き】
2.1. 建物の耐用年数
2.2. 建物附属設備の耐用年数
2.3. 構築物の耐用年数
2.4. 生物の耐用年数
2.5. 車両・運搬具の耐用年数
2.6. 工具の耐用年数
2.7. 器具・備品の耐用年数
2.8. 機械・装置の耐用年数
2.9. パソコンのソフトウエアの耐用年数
3. 中古償却資産の耐用年数の計算方法
3.1. 法定耐用年数を経過した資産
3.2. 法定耐用年数を経過していない資産
4. 減価償却の方法
4.1. 減価償却とは
4.2. 定額法と定率法
4.3. 減価償却の特例
まとめ

1. 減価償却における「耐用年数」とは

1. 減価償却における「耐用年数」とは
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

減価償却の「耐用年数」は、「一般的な維持補修を行いながら使用した場合に、本来の用途として通常期待できるだけの効果を上げることができる年数」をいいます。法が「これくらいの期間だったら事業用に使えるだろう」とみて定めたものです。

 

耐用年数は、実際の「耐久年数」とは異なります。その資産の耐用年数を超えて使用しても、何ら問題はありません。あくまでも、会計処理の便宜のために設けられた期間です。

 

1.1. 耐用年数の調べ方—省令で定められている

耐用年数は省令で定められており、国税庁HP「主な資産の耐用年数表」等で確認することができます。後ほど、改めて紹介します。

 

1.2. 耐用年数が終わったら「1円」になる

耐用年数が経過して減価償却が終わったら、資産の価値は「1円」と記載されます。これは、減価償却が終わったあともその資産が会社に事業用に使われているという痕跡を残しておくためです。

 

2. 主な償却資産の耐用年数【一覧表付き】

2. 主な償却資産の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

減価償却の耐用年数は、対象となる資産によって異なります。また、同じ資産でも構造や用途によっても差があります。

 

耐用年数は、頑丈で長持ちするものほど長く設定されているとイメージしてください。

 

たとえば、「建物」の耐用年数は「17年~50年」であるのに対し、「機械・装置」の耐用年数は「3年~17年」です。また、同じ「事務所用の建物」であっても、「鉄筋コンクリート造」の耐用年数が「50年」であるのに対し、「木造」は24年です。

 

以下、それぞれの資産の種類に応じて、耐用年数を一覧表とともに紹介します。

 

2.1. 建物の耐用年数

(2.1. 建物の耐用年数)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

建物の耐用年数は、「構造」と「用途」の組み合わせによって決まります。

 

まず、「構造」には、主に次のようなものがあります。

 

【建物の耐用年数を決める「構造」の種類】

  • 木造・合成樹脂造のもの
  • 木骨モルタル造のもの
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの
  • れんが造・石造・ブロック造のもの
  • 金属造のもの

 

次に、「用途」には、主に次のようなものがあります。

 

【建物の「用途」】

  • 事務所用のもの
  • 店舗用・住宅用のもの
  • 飲食店用のもの
  • 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの
  • 公衆浴場用のもの
  • 工場用・倉庫用のもの(一般)

 

【図表1】建物の耐用年数一覧表

構造・用途 細目

耐用年数(年)

木造・合成樹脂造

事務所用のもの

24

店舗用・住宅用のもの

22

飲食店用のもの

20

旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの

17

公衆浴場用のもの

12

工場用・倉庫用のもの(一般用)

15

木骨モルタル造

事務所用のもの

22

店舗用・住宅用のもの

20

飲食店用のもの

19

旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの

15

公衆浴場用のもの

11

工場用・倉庫用のもの(一般用)

14

鉄骨鉄筋コンクリート造・

鉄筋コンクリート造

事務所用のもの

50

住宅用のもの

47

飲食店用のもの

-

 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの

34

 その他のもの

41

旅館用・ホテル用のもの

-

 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの

31

 その他のもの

39

店舗用・病院用のもの

39

車庫用のもの

38

公衆浴場用のもの

31

工場用・倉庫用のもの(一般用)

38

れんが造・石造・

ブロック造

事務所用のもの

41

店舗用・住宅用・飲食店用のもの

38

旅館用・ホテル用・病院用のもの

36

車庫用のもの

34

公衆浴場用のもの

30

工場用・倉庫用のもの(一般用)

34

金属造

事務所用のもの

-

 骨格材の肉厚が、(以下同じ)

-

  4mmを超えるもの

38

  3mmを超え、4mm以下のもの

30

  3mm以下のもの

22

店舗用・住宅用のもの

-

  4mmを超えるもの

34

  3mmを超え、4mm以下のもの

27

  3mm以下のもの

19

飲食店用・車庫用のもの

-

  4mmを超えるもの

31

  3mmを超え、4mm以下のもの

25

  3mm以下のもの

19

旅館用・ホテル用・病院用のもの

-

  4mmを超えるもの

29

  3mmを超え、4mm以下のもの

24

  3mm以下のもの

17

公衆浴場用のもの

-

  4mmを超えるもの

27

  3mmを超え、4mm以下のもの

19

  3mm以下のもの

15

工場用・倉庫用のもの(一般用)

-

  4mmを超えるもの

31

  3mmを超え、4mm以下のもの

24

  3mm以下のもの

17

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

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2.2. 建物附属設備の耐用年数

2.2. 建物附属設備の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

建物附属設備は、建物に付随する設備で、簡単には建物と切り離すことができないものを指します。たとえば、エレベーター(昇降機設備)、給排水設備、ガス設備等です。

 

同じ機能をもつものでも、建物と切り離すことができるかどうかによって、扱いが異なることがあります。

 

たとえば、エアコン等の冷暖房設備は、「ビルドイン型」「ダクト型」等の、建物とほぼ一体で取り外しできないものは「建物附属設備」と扱われます。これに対し、「天井埋め込み型」「壁掛け型」「床置き型」「天吊り型」等の取り外しできるタイプは、後述する「器具及び備品」と扱われます。

 

【図表2】建物附属設備の耐用年数一覧表

構造・用途

細目

耐用年数(年)

アーケード・日よけ設備

主として金属製のもの

15

その他のもの

8

店舗簡易装備

 

3

電気設備

(照明設備を含む) 

蓄電池電源設備

6

その他のもの

15

給排水・衛生設備、ガス設備

 

15

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

2.3. 構築物の耐用年数

2.3. 構築物の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

構築物は、建物でも建物附属設備でもない土地の定着物のことです。減価償却で扱う機会は少ないかもしれません。たとえば、線路や発電設備、トンネル、橋等がこれにあたります。

 

2.4. 生物の耐用年数

2.4. 生物の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

生物も事業用資産として減価償却の対象となることがあります。

 

たとえば、「牛」だと繁殖用・種付け用の牛(肉用牛(役肉用牛)、乳用牛)、農耕牛(農業使役用)、駄牛(小運搬使役用)が対象となります。なお、屠(ほふ)り殺され肉として販売される運命にある牛は、減価償却資産ではなく商品です。

 

果実や作物を生む樹木等も対象となります。

 

【図表3】生物の耐用年数(一部)

種類

細目

耐用年数(年)

繁殖用

(種付証明書、授精証明書、

体内受精卵移植証明書又は

体外受精卵移植証明書のあるものに限る)

6

4

種付用

(種畜証明書の交付を受けた種おす牛に限る)

4

その他用

6

繁殖用

(種付証明書又は授精証明書のあるものに限る)

6

種付用

(種畜証明書の交付を受けた種おす馬に限る)

6

競走用

4

その他用

8

かんきつ樹

温州みかん

28

その他

30

りんご樹

わい化りんご

20

その他

29

桑樹

立て通し

18

根刈り、中刈り、高刈り

9

国税庁「耐用年数(構築物/生物)」をもとに作成

 

2.5. 車両・運搬具の耐用年数

2.5. 車両・運搬具の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

車両・運搬具には、電車のような鉄道用又は軌道用車両の他に、消防車・救急車といった特殊自動車、その他に自動車や自動二輪(バイク)、自転車などが対象になります。

 

自動車は、まず用途で分けられ、ついで種類ごとに耐用年数が決められています。

 

たとえば、最近よく見かけるAmazonの配達を行う軽自動車の場合、運送事業用で「小型車」に該当することから、耐用年数が3年と判断できます。

 

一般的な社用車(営業用等)は、一般用の自動車で「その他のもの」に該当するため、耐用年数は6年と設定されています。

 

【図表4】車両・運搬具の耐用年数一覧表

構造・用途

細目

耐用年数(年)

一般用

(特殊自動車・

次の運送事業用等以外)

自動車(2輪・3輪自動車を除く)

-

 小型車(総排気量が0.66リットル以下)

4

 貨物自動車

-

  ダンプ式

4

  その他

5

 報道通信用

5

 その他

6

2輪・3輪自動車

3

自転車

2

リヤカー

4

運送事業用・

貸自動車業用・

自動車教習所用

自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く)

-

 小型車(貨物自動車にあっては積載量が2トン以下、その

他のものにあっては総排気量が2リットル以下)

3

 大型乗用車(総排気量が3リットル以上)

5

 その他

4

乗合自動車

5

自転車、リヤカー

2

被けん引車その他のもの

4

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

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2.6. 工具の耐用年数

2.6. 工具の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

工具は、測定工具や検査工具、取付工具などのほか、金属加工用の金型など専門的なものが多くなります。

 

【図表5】工具の耐用年数一覧表

構造・用途

細目

耐用年数(年)

測定工具、検査工具

(電気・電子を利用するものを含む)

 

5

治具、取付工具

 

3

切削工具

 

2

型(型枠を含む)鍛圧工具、

打抜工具

プレスその他の金属加工用金型、合成樹脂、

ゴム・ガラス成型用金型、鋳造用型

2

その他のもの

3

活字、活字に常用される金属

購入活字(活字の形状のまま反復使用するものに限る)

2

自製活字、活字に常用される金属

8

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

2.7. 器具・備品の耐用年数

2.7. 器具・備品の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

器具・備品は、もっとも種類が多い固定資産です。主に次のようなものがあります。

 

【主要な「器具・備品」】

  • 家具、電気機器、ガス機器及び家庭製品
  • 事務機器及び通信機器
  • 時計、試験機器及び測定機器
  • 光学機器及び写真制作機器
  • 看板及び広告器具
  • 容器及び金庫
  • 理容又は美容機器
  • 医療機器
  • 娯楽・スポーツ器具

 

主に金属製の事務用品は法定耐用年数が15年、それ以外は5~10年に設定されているものが目立ちます。

 

パソコン(電子計算機)は「事務機器及び通信機器」に含まれ、法定耐用年数が4年(サーバー用は5年)と設定されています。

 

【図表6】器具・備品の耐用年数一覧表

構造・用途

細目

耐用年数(年)

家具、電気機器、

ガス機器、家庭用品

(他に挙げてあるものを除く) 

事務机、事務いす、キャビネット

-

 主として金属製のもの

15

 その他のもの

8

応接セット

-

 接客業用のもの

5

 その他のもの

8

ベッド

8

児童用机、いす

5

陳列だな、陳列ケース

-

 冷凍機付・冷蔵機付のもの

6

 その他のもの

8

その他の家具

-

 接客業用のもの

5

 その他のもの

-

  主として金属製のもの

15

  その他のもの

8

ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器

5

冷房用・暖房用機器

6

電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器

6

氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー(電気式のものを除く)

4

カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに類する繊維製品

3

じゅうたんその他の床用敷物

-

 小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込用・劇場用のもの

3

 その他のもの

6

室内装飾品

-

 主として金属製のもの

15

 その他のもの

8

食事・ちゅう房用品

-

 陶磁器製・ガラス製のもの

2

 その他のもの

5

その他のもの

-

 主として金属製のもの

15

 その他のもの

8

事務機器、通信機器

謄写機器、タイプライター

-

 孔版印刷・印書業用のもの

3

 その他のもの

5

電子計算機

-

 パーソナルコンピュータ

 (サーバー用のものを除く)

4

 その他のもの

5

複写機、計算機(電子計算機を除く)、金銭登録機、

タイムレコーダーその他これらに類するもの

5

その他の事務機器

5

テレタイプライター、ファクシミリ

5

インターホーン、放送用設備

6

電話設備その他の通信機器

-

 デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備

6

 その他のもの

10

時計、試験機器、測定機器

時計

10

度量衡器

5

試験・測定機器

5

光学機器、写真製作機器

カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡

5

引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡

8

看板・広告器具

看板、ネオンサイン、気球

3

マネキン人形、模型

2

その他のもの

-

 主として金属製のもの

10

 その他のもの

5

容器、金庫

ボンベ

-

 溶接製のもの

6

 鍛造製のもの

-

  塩素用のもの

8

  その他のもの

10

ドラムかん、コンテナーその他の容器

-

 大型コンテナー(長さが6m以上のものに限る)

7

 その他のもの

-

  金属製のもの

3

  その他のもの

2

金庫

-

 手さげ金庫

5

 その他のもの

20

理容・美容機器

 

5

医療機器

消毒殺菌用機器

4

手術機器

5

血液透析又は血しょう交換用機器

7

ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器

6

調剤機器

6

歯科診療用ユニット

7

光学検査機器

-

 ファイバースコープ

6

 その他のもの

8

その他のもの

-

 レントゲンその他の電子装置を使用する機器

-

  移動式のもの、救急医療用のもの、自動血液分析器

4

  その他のもの

6

 その他のもの

-

  陶磁器製・ガラス製のもの

3

  主として金属製のもの

10

  その他のもの

5

娯楽・スポーツ器具

たまつき用具

8

パチンコ器、ビンゴ器その他これらに類する球戯

-

用具、射的用具

2

ご、しょうぎ、まあじゃん、その他の遊戯具

5

スポーツ具

3

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

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2.8. 機械・装置の耐用年数

2.8. 機械・装置の耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

機械・装置は、業界ごとに大きく分けられています。

 

食料品製造業用設備であれば耐用年数10年、パルプ・紙・紙加工品製造業用設備であれば12年などとなっています。

 

【図表7】機械・装置の耐用年数一覧表

設備の種類

細目

耐用年数(年)

農業用設備

 

7

林業用設備

 

5

食料品製造業用設備

 

10

飲料・たばこ・飼料製造業用設備

 

10

繊維工業用設備

炭素繊維製造設備

-

 黒鉛化炉

3

 その他の設備

7

その他の設備

7

木材・木製品(家具を除く)

製造業用設備

 

8

家具・装備品製造業用設備

 

11

パルプ・紙・

紙加工品製造業用設備

 

12

印刷業・印刷関連業用設備

デジタル印刷システム設備

4

製本業用設備

7

新聞業用設備

-

 モノタイプ・写真・通信設備

3

 その他の設備

10

その他の設備

10

ゴム製品製造業用設備

 

9

なめし革・なめし革製品・

毛皮製造業用設備

 

9

窯業・土石製品製造業用設備

 

9

鉄鋼業用設備

表面処理鋼材・鉄粉製造業

-

鉄スクラップ加工処理業用設備

5

純鉄・原鉄・ベースメタル・フェロアロイ

-

鉄素形材・鋳鉄管製造業用設備

9

その他の設備

14

金属製品製造業用設備

金属被覆、彫刻業・打はく、金属製

-

ネームプレート製造業用設備

6

その他の設備

10

林業用設備

 

5

鉱業・採石業・

砂利採取業用設備

石油・天然ガス鉱業用設備

-

 坑井設備

3

 掘さく設備

6

 その他の設備

12

その他の設備

6

総合工事業用設備

 

6

倉庫業用設備

 

12

運輸に附帯するサービス業用設備

 

10

飲食料品卸売業用設備

 

10

飲食料品小売業用設備

 

9

その他の小売業用設備

ガソリン・液化石油ガススタンド設備

8

その他の設備

-

 主として金属製のもの

17

 その他のもの

8

宿泊業用設備

 

10

飲食店業用設備

 

8

洗濯業・理容業・美容業・

浴場業用設備

 

13

その他の生活関連サービス業用設備

 

6

自動車整備業用設備

 

15

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」より

 

2.9. パソコンのソフトウエアの耐用年数

2.9. パソコンのソフトウエアの耐用年数
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

パソコンのソフトウエアは、形のないものですが、「無形固定資産」として減価償却の対象となります。

 

なぜなら、ソフトウエアは技術革新が行われることによって陳腐化し、利用価値が低下するからです。

 

【図表8】ソフトウエアの耐用年数一覧表

設備の種類 細目 耐用年数
ソフトウェア 複写して販売するための原本 3年
研究開発用のもの 3年
その他のもの 5年

国税庁「タックスアンサーNo.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数」より

 

3. 中古償却資産の耐用年数の計算方法

3. 中古償却資産の耐用年数の計算方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここまで解説してきた減価償却の耐用年数は、新品についてのものです。

 

中古資産の場合は、耐用年数が新品よりも短く設定されています。法定耐用年数を経過している場合と、経過していない場合とで計算方法が異なります。

 

3.1. 法定耐用年数を経過した資産

法定耐用年数を経過している場合、中古資産の耐用年数は、新品の場合の耐用年数の20%で計算します。

 

ただし、その計算だと1年未満、1ヵ月未満の端数が出ることが多くなるので、以下の処理を行います。

 

【端数の処理】

  • 経過期間に1年未満がある場合は月数に直して計算
  • 1年未満の月数は切り捨て
  • 計算結果が2年に満たない場合は2年とする

 

たとえば、「10年落ち」の中古普通自動車を社用車として購入した場合、新車の法定耐用年数が6年なので、

 

6年×20%=1.2年≒1年2ヵ月

 

となります。月数を切り捨てると「1年」になりますが、2年未満なので、耐用年数「2年」となります。

 

3.2. 法定耐用年数を経過していない資産

法定耐用年数を経過していない資産については、以下の計算式で耐用年数を算出します。

 

中古資産の耐用年数=(法定耐用年数-経過期間)+(経過期間×20%)

 

この場合も前述した端数の処理があります。

 

たとえば、「2年6ヵ月落ち」の中古普通自動車を社用車として購入した場合、新車の法定耐用年数が6年なので、

 

(72ヵ月-18ヵ月)+(18ヵ月×20%)

 

=57.6ヵ月=4年9.6ヵ月

 

4年9.6ヵ月で月数を切り捨てるため、耐用年数は「4年」となります。

 

4. 減価償却の方法

4. 減価償却の方法
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、減価償却の方法についておさらいしておきましょう。

 

4.1. 減価償却とは

減価償却とは、事業用資産の購入代金額を、複数年に分けて経費計上していく会計処理の方法です。

 

対象となる資産は、購入金額が10万円を超えるものです。

 

4.2. 定額法と定率法

減価償却額の計算方法には、「定率法」「定額法」があります。どちらの方法でも経費化できる総額は同じですが、「定率法」のほうが、早期に大きな額を償却できるという特徴があります。

 

いずれも、期の途中で購入した場合は月割計算になります。また、減価償却の最終年には端数調整が行われます。

 

4.2.1. 定率法

毎年の未償却残高に対して、「常に一定割合」の減価償却率を掛け合わせて減価償却額を算出する方法です。

 

初年度がもっとも減価償却額が大きくなり、年が進むにつれ償却額が小さくなっていきます。

 

定率法による計算結果が「償却保証額」未満になった場合、以降は毎年同額の償却額に変更されます。

 

4.2.2. 定額法

取得価額を法定耐用年数で割った額を均等に各年度に償却する方法です。

 

資産の内容や条件によっては、定率法か定額法のいずれかしか選択できない場合もあるため、あらかじめ国税庁のHP等で確認しておくことが重要です。

 

4.3. 減価償却の特例

減価償却は耐用年数に従って行うことが基本ですが、それより短く償却できる「特例」を利用できることがあります。

 

1個10万円〜20万円未満の資産については「一括償却資産の特例」が設けられています。3年に分け均等に減価償却費を計上することができます。

 

また、「中小企業者等」には「少額減価償却資産の特例」といって、1個10万円~30万円の資産について、一気に全額を償却することが認められています。2026年3月までの期限付きの特例です。

 

そのほかにも、「中小企業経営強化税制」等による「即時償却」が認められることがあります。これは、所定の要件をみたす設備投資を行った場合に、一気に全額を償却できるというものです。2025年3月までの特例です。

 

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まとめ

まとめ
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減価償却を計算する際の、固定資産の耐用年数は対象によって多岐にわたります。しかし、頑丈なもの、長持ちするものほど耐用年数が長くなるという原理を理解してしまえば、新品の固定資産の計算はそれほど難しくないかもしれません。

 

一方で、中古資産を扱う場合は、計算方法・端数処理が複雑になるので、計算間違いや、時間がかかるケースが多くなります。そういった場合は、ぜひ税理士等の専門家に相談してみてください。