戦国時代の名将、武田信玄の軍旗に「風林火山」という言葉が掲げられていました。戦国時代にあまり興味のない人でも「風林火山」という言葉を聞いたことがある人は多いはずです。軍隊の理想形態として掲げられた「風林火山」ですが、FXの世界でも参考にできる点が多くあります。実は、FXで成功しているプロトレーダーは無意識のうちに風林火山の思考法を実践していると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。「風林火山」がFXとどのような関係があるのかみていきましょう。
プロトレーダーは息を吸うように実践している…「風林火山」に学ぶトレード手法とは【FXのプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

3.「火」

3つ目の「火」は、攻めるときは火のように激しく攻めることを指します。トレードも戦も守りだけを固めていては成果を上げることはできません。ときに大きく勝負に出る度胸と勢いが必要になる場面が存在します。プロトレーダーは攻めと守りの緩急の付け方が非常にうまく、利益が出そうな場面では大胆な取引を行うことがあります。

 

しかし、ただ大胆で勢いがあるトレードをすればよいわけではなく、利益を出す可能性が高い状況を判断しなければいけません。冷静に相場環境を判断して適切な環境認識を行える能力が求められています。

 

4.「山」

4つ目の「山」は、守るときは山のようにどっしりと構えることを指します。FXの世界でいえば、守りとは資金管理能力のことを指します。資金管理能力が備わっていないプロトレーダーは存在しません。初心者トレーダーでもわかりやすい資金管理能力の指標のひとつが、証拠金維持率です。

 

トレーダーとして安定した利益を稼いでいくためには、適正な証拠金維持率が求められます。同じトレードスタイルであるにも関わらず、トレードごとに毎回異なった証拠金維持率でトレードしていてはプロトレーダーにはなれません。じっくりと腰を据えて相場と向き合うためには、資金的にも心理的にも安定する必要があるのです。

新たな気づきを古き戦国武将から取り入れよう

今回は、かつての戦国時代を彩った武将が戦術の理想形態である「風林火山」の思考法はFXにも応用できるということを解説しました。攻めにも守りにも適切に対処できる「風林火山」の思考法は戦略的なトレードを実現することができます。また、安定して大きな利益を出しているプロトレーダーは、無意識のうちに「風林火山」の思考法を実践しています。

 

温故知新ということばがあるように、昔の知識を学ぶことは、場合によって現代の私達に新しい知識を与えるきっかけになります。また、FXは強いメンタルと正しい資金管理能力が求められているので、難しい投資に関する書籍を読むよりも昔の偉人に関する書籍を読んだほうが勉強になることがあります。

 

FXを初めてまだ日が浅い初心者トレーダーは、トレードに関する知識を体系的に学ぶよりも、楽しみながらも間接的にトレードスキル向上に結びつく昔の偉人の言葉に耳を傾けてみると、意外な発見があるかもしれません。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 

執行役員