介護を経験したことがない人にとって、介護には高額な費用がかかると思っている人が多いようです。しかし、経済ジャーナリスト荻原博子氏は、その認識には「勘違い」が含まれているといいます。正しい情報に基づき、しっかり貯金をしていれば、年金だけでも十分対応できるというのです。その根拠はどのようなものでしょうか。荻原氏の著書「年金だけで十分暮らせます」(PHP研究所)より、一部抜粋して紹介します。
介護費用の見積もり額は「夫婦で6,000万円」というアンケート結果だが…データが示す「実際の介護費用」驚きの金額【経済ジャーナリストが解説】

インターネット利用した情報収集

これまで、介護というものがあまりリアルではなかったけれど、親の介護が必要になって、情報収集を始めたという人は多くいらっしゃいます。

 

そうした方が情報を集める入り口としては、インターネットの介護情報検索サイトが役に立ちます。

 

たとえば、厚生労働省が運営する「介護事業所・生活関連情報検索」には、介護保険法に基づく全26種類54のサービスが載っています(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)。

 

また、事業所のリストがあり、自分が住んでいる地域から最寄りの施設が探せるだけでなく、その施設の評価なども書き込まれています。

 

さらに、介護施設だけでなく、病院や薬局、リハビリルーム、デイケアサービス、訪問介護をしてくれる会社、訪問看護をしてくれる会社、福祉用具の販売店、レンタル店なども探すことができます。

まずは、介護のプロ「ケアマネ」に相談を

介護を経験したことのない人にとって、介護というのは、まるで見当がつかない、雲をつかむような話に思えるかもしれません。

 

なので、前述のように、介護にかかる費用についてアンケートされても、「1人3,000万円くらい?」と勘違いしてしまうのかもしれません。

 

けれど、安心してください。いざ、介護に直面した時には、介護のプロが道案内をしてくれます。

 

介護については、自治体で介護認定を受けたら、ケアマネジャー(介護支援専門員。以下、ケアマネ)がケアプランを作成してくれて、かかるお金から施設の紹介まで、あらゆる相談にのってくれます。

 

ケアマネというのは、医療の国家資格等に基づく業務経験、相談援助業務経験が5年以上あり、さらにケアマネジャーの試験に合格した人でないとなれません。

 

そうなると、かなりお金がかかるのではと不安に思うかもしれませんが、ケアマネへの支払いは、すべて介護保険でまかなわれるので費用の心配はいりません。

 

ケアマネを探すには、住んでいる自治体の介護保険課や地域包括支援センターに行って相談してみましょう。

 

[図表2]介護サービスがスタートするまでの過程

 

 

荻原 博子

経済ジャーナリスト