FXで稼ぐために、チャートパターンやテクニカル分析を研究し、必勝法を探すデイトレーダーがいます。しかし、これには大きな誤りがあると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。一体なぜでしょうか? みていきます。
「FX必勝法」を探すデイトレーダーが「根本的に勘違いしていること」【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「年単位で稼げていればいい」という意識を育てる

初心者トレーダーほど、目の前の収益だけを意識してしまう傾向があります。しかし、先述したとおり、FXの世界はイレギュラーな値動きが頻発します。さらに、デイトレードなど短期的な取引方法であればあるほど、目先の急な値動きに振り回される可能性が高くなります。

 

デイトレーダーである以上、急な値動きに巻き込まれることを受け入れることが必要です。目先の収益だけ気にしていると、急な値動きに巻き込まれた際に焦ってしまいます。その結果、なかなか損切りできずにポジションを持ってしまいます。

 

プロトレーダーとしてデイトレードに向き合っていくためには、トータルで勝つ意識を育てていくべきです。毎日プラスの収益で終わらせるという目標ではなく、週単位、月単位、年単位でプラスの収益を収めることを目指しましょう。FXでは、勝ちやすい相場の流れと取引しにくい(わかりにくい)相場の流れがあるため、勝ちやすい相場で稼いで、取引しにくい相場では休む見極めが肝心です。

 

トータルで勝てればよいというマインドが育つと心にもゆとりができるため、テクニカル分析などでチャートを見るときに、より俯瞰した状態で相場と向き合うことができます。

 

取引回数が減ると収益機会が減って稼ぐスピードが遅くなるのではないか、と懸念するトレーダーもいると思いますが、相場の見極めが上達すれば勝率が上がっていくため、結果的に取引回数が少なくても稼げる状態を作り出すことができます。

視野を広げて気持ちにゆとりがあるトレーダーになろう

FXの世界は、プロトレーダーも初心者トレーダーも同じチャートを見て、同じ土俵で取引をしています。取引経験にもとづいたハンデなどは存在しません。初心者トレーダーが、プロトレーダーの立ち回っている世界で無理に稼ごうと取引回数を増やしても、よい結果に結びつくことは少ないでしょう。

 

FXで安定した収益を出すためには、気持ちにゆとりを持つことが非常に大切です。心にゆとりがあれば、客観的な相場分析が可能です。無理なトレードや無駄な損切りは、主観的で視野の狭い判断から生じます。心のゆとりを持つためには、「トータルで勝つ意識」を育てる必要があります。

 

損をすることを受け入れるという難しさはありますが、一度習得すれば一生使えるスキルです。プロトレーダーを目指していきたいのであれば、まずは年単位でプラスの収益を収めるという目標を作りましょう。年単位でプラスの収益を収められるようになったら、月単位、週単位と期間を狭めて目標を作っていきましょう。そのころには取引計画に沿ったトレードが自然と身についているでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員