パートの壁が低くなっている
パートで働く場合は、働く時間や給与額により、税金や社会保険料がかかるかどうかが違ってきます。例えば給与収入が103万円を超えると所得税がかかるので103万円の壁と呼ばれます。他にも税金、社会保険料に関するいくつかの壁があります([図表4]参照)。
給与から税金や社会保険料を引かれることで手取りが減るため、壁を超えないよう調整する人も多いのが現状ですが、この壁の金額や条件が段階的に緩和され、パートでも社会保険に入る人が増えています([図表5]参照)。
壁を超えることで今の手取りは減るものの、自分で社会保険に入ることで、将来の厚生年金が増えるなどのメリットもあります。
生涯賃金や将来の給付も考慮したい
パートの壁は2種類あります。税金の壁と社会保険の壁です。税金は住民税と所得税、社会保険は健康保険と厚生年金保険。既婚者なら配偶者の税金にも影響します。
ただし、税金や社会保険料を引かれても、それを超えて収入が増えるなら手取りも増えます。境目は年収で150万円くらい。どうせなら150万円超えを目指しましょう。
また、社会保険に加入することで、社会保険からの給付が増えます。
健康保険からは、病気やケガで仕事を休んだ際の傷病手当金や、出産で仕事を休んだ際の出産手当金など。
老後の年金は厚生年金に加入することで国民年金だけよりも増えることになります([図表6][図表7]参照)。
目の前の手取り収入のみならず、生涯賃金や将来の給付も含めて長い目で考えて判断しましょう。
坂本 綾子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
※イラスト作成:松岡 未来(ヤング荘)(『子どもにかかるお金の超基本』本文より)