2019年から「幼児教育・保育料の無償化」が実施されています。ただし、適用範囲は年齢等で区切られており、また、すべての費用が対象となるわけではありません。この制度の中身と留意すべき点について、子どもにかかるお金の問題に詳しいファイナンシャルプランナーの坂本綾子氏が著書『子どもにかかるお金の超基本』(河出書房新社)から解説します。
3歳から保育料が”無料”になる「幼児教育・保育費の無償化」とは?適用条件と「無償とならない費用」【FPが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

無償にならない費用も…家庭で払うのはどれくらい?

無償化されるのは利用料の部分です。スクールバスなどの通園送迎費、給食の食材料費、運動会や遠足などの行事費は、これまで通り保護者が払います。

 

施設により異なりますが、通園送迎費や食材料費は月数千円程度が一般的。子どものための支出として予算を取っておきましょう。

 

ただし、食材料費のうち副食費は、子どもが3人以上いる世帯や、年収360万円未満相当の世帯は、支払い免除になります。

 

新制度に移行している施設では、免除のための手続きは特に必要ありません。

 

移行していない施設では手続きが必要なので、市区町村に問い合わせを。

 

私立の幼稚園の中には新制度に移行していない施設もあります。その場合は月2万5,700円を上限に利用料が無償化されます。

 

認可外保育施設は、保育の必要性の認定を受けたなら月3万7,000円までの利用料が無償です。幼稚園に通い預かり保育を利用した場合は、保育の必要性が認定されれば月1万1,300円まで無償です。

 

◆子ども3人以上や、ひとり親は費用が安くすむ

子どもが複数いる場合、3〜5歳は無償でも、他の年齢の子どもには利用料がかかります。

 

ただし、子どもが3人以上いる多子世帯や、ひとり親世帯には利用料の負担軽減があります。


最年長の子どもから順に2人目は半額、3人目以降は無料です。子どもの数え方が少しわかりにくいのですが、[図表5]を参照してください。

 

※1号認定(幼稚園、認定こども園)と2号・3号認定(保育所、認定こども園、地域型保育)で多子計算のカウントの方法が異なる。 ※きょうだいで通園する施設が異なる(認定区分が異なる)場合も、カウントの方法は同じです。
[図表5]子ども3人以上の世帯は利用料の負担が軽減される ※ 1号認定(幼稚園、認定こども園)と2号・3号認定(保育所、認定こども園、地域型保育)で多子計算のカウントの方法が異なる。
※ きょうだいで通園する施設が異なる(認定区分が異なる)場合も、カウントの方法は同じです。

 

年収約360万円相当未満の世帯やひとり親世帯は、子どもの数え方が異なり、さらに軽減されます([図表6]参照)。

 

ひとり親世帯は、第1子から半額です。これに3歳から5歳の無償化を重ねて利用料が決まります。

 

※ 生活保護世帯や、ひとり親世帯等で市町村民税非課税世帯の場合は、第1子から無料です。  「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK」(内閣府)より作成
[図表6]年収約360万円未満相当の世帯とひとり親世帯はさらに負担が軽減される ※ 生活保護世帯や、ひとり親世帯等で市町村民税非課税世帯の場合は、第1子から無料です。
「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK」(内閣府)より作成

 

 

坂本 綾子

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定CFP

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

※イラスト作成:松岡 未来(ヤング荘)(『子どもにかかるお金の超基本』本文より)