実際の相談事例を基に、離婚とお金について解説する本連載。今回の相談者は、年収1,000万円超の高学歴エリートサラリーマンの秀一さんです。現在離婚調停中の奥様と「共有名義」で購入した自宅はこれからどうするべきか、持ち家離婚カウンセラー・入江寿氏の助言に注目です。
月収62万円・41歳エリート会社員の「理想的な人生」崩壊…空っぽのマイホームに残された「辛すぎる宿題」【持ち家離婚カウンセラーの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

 

毎月10万円のローンを返済しながら続く離婚調停

 

筆者のアドバイスを受けて離婚調停に入った秀一さんは、毎月10万円のローンの返済を続けています。

 

別居し始めてから5年、一度も会えていない子供たちの学費や婚姻費用、塾の月謝など、月々20万円を支払いながら、自分の家賃支出もあるため、生活は決して楽ではありません。

 

振り返れば、秀一さんは優子さんについて1つ気になっていた点がありました。

 

それは、優子さんとその母親との関係です。最初は仲の良い普通の親子だと思っていましたが、本来夫婦間で決めるべきことも、すべて母親に相談して決めてきてしまう節があったのです。

 

家のことも子どものことも、優子さんから秀一さんへの相談はほとんどなく、母親と相談して決めてしまい、秀一さんにはいつも事後報告でした。

 

いろいろな人に相談する中で秀一さんが知ったことは、優子さんは母親との「共依存関係」にあるということ。共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動をとらせることで、自身の心の平穏を保とうとします。

 

離婚調停の話し合いに積極的に向き合おうとしない妻を見ると、どうやらこの問題にも母親が介入している可能性が高そうです。

 

別居を初めて5年、解決にはまだまだ時間がかかりそうですが、「自宅を優子さん名義に一本化して離婚する」というゴールが明確になった秀一さんは、前向きに闘いを続けています。