なぜ「大企業・元部長」は「住宅ローン破産」に追い込まれたのか?
――毎月の返済が苦しい
ローン破産寸前だと投稿した60代の男性。50歳のときに都内のタワマンを購入したものの、最近になってローンを重荷に感じるようになったといいます。元・上場企業の部長だったという男性、なにがあったのでしょうか。
厚生労働省の調査によると、大企業の部長職の月収は大卒・50代前半で74.8万円、賞与も含めた年収は1,267.4万円になります。一方、国土交通省の調査によると、新築マンション購入者の平均年齢は39.9歳。男性は、平均値よりも10年ほど遅れてマイホーム購入を決断したようです。
【大企業「部長の給与」の推移】
30~34歳:444,300円/7,140,000円
35~39歳:676,900円/10,715,800円
40~44歳:741,400円/12,003,700円
45~49歳:735,000円/12,332,400円
50~54歳:748,900円/12,674,000円
55~59歳:784,000円/13,267,400円
60~64歳:771,400円/12,535,100円
出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』
※数値は、大卒男性、大企業(従業員1,000人以上)
国土交通省の調査で「銀行から融資を断られたことがある」というマンション購入者にその理由を尋ねたところ、「健康状態」が23.1%、「年齢」が15.4%でした。やはり年齢を重ねていることは、住宅ローンの審査の際に不利に働くようです。しかし年収1,200万円超えのエリートであれば、銀行も「マンションを買っても大丈夫」と太鼓判を押します。
当初、住宅ローンの返済が余裕だったということから、仮に年収に占める返済負担率が20%程度だったとしましょう。すると、男性の月々のローン返済額は21万1,233円となります。
金利は1.0%、返済方式は元利均等として、20年返済でローンを組んだとしましょう。借入できるのは4,500万円ほど。これで都内のタワマンを買うには少々足りないので、頭金を相当額用意したと推測されます。