いつまで働くべきか……多くのサラリーマンが頭を悩ませるところですが、この悩みは「年金をいつ受け取るか」とほぼイコールだといえます。いったいいつまで働き、いつから年金を受け取るのがいいのか、考えてみましょう。
月収41万円、59歳サラリーマン、いつまで働く?「60歳」「65歳」「70歳」「75歳」年金をお得に受け取る方法 (※写真はイメージです/PIXTA)

いつまで仕事を続けるか…選択を迫られる4つのタイミング

人生100年時代とは、少々言い過ぎではあるものの、健康寿命も平均寿命も伸長を続けているなか、「いつまで働くか」は多くの人の悩み種。

 

――仕事は生きがい、働けるだけ働きたい

――できれば早くリタイアしたいけど、経済的に働かざるを得ない

 

仕事に対する考え方は人それぞれですが、「仕事を辞めるタイミング」は大きく4つあります。

 

厚生労働省『令和4年就労条件総合調査』によると、企業の94%が定年制を取り入れ、その72%が60歳を定年年齢と定めています。つまり多くのサラリーマンは「60歳」に仕事を続けるか、辞めるかの選択に迫られます。

 

次に年金を受け取るタイミング。原則「65歳」となっているので、そこで年金生活に入るかどうか、選択に迫られるでしょう。

 

さらに「70歳」。法改正により、2021年4月から企業では「70歳までの就業確保」の努力義務がスタート。時代は「70歳までは安心して働けます」という環境を整えようとしています。「70歳まで働く」はこれからの時代、ひとつの区切りになるでしょう。

 

最後に「75歳」。老齢基礎・厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。 一方、受給年齢の繰り下げは現行で75歳まで。詳しくは後述しますが、「これ以上年金は増えないから、受け取りを開始しよう」と、仕事を辞め、年金生活に入る人も多いでしょう。

 

こうしてみていくと、「いつまで仕事を続けるか」に大きく影響を与えるのが「年金」です。年金受給者の過半数が「収入は公的年金のみ」という状況。老後は年金に支えられるライフスタイルとなるため、「いつまで働くか」=「年金をいつからもらうか」といえるのです。

 

ではこの4つのタイミングのうち、いつ年金を受け取るのがいいのでしょうか。20歳から60歳までサラリーマンの平均給与を手にし続けてきた「サラリーマンのなかのサラリーマン」を例に考えてみましょう。