株式投資では、一定のリスクを負うことでリターンを得ることができます。しかしそのリスクの負い方を誤ると、大きな損失を出したり小さな損失を積み重ねたりする危険があると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。では、どうすれば「損失を抑えながら利益をあげる」ことができるのでしょうか、川合氏が3つの極意を解説します。
株式投資で「損失を抑えて着実に利益をあげる」3つの極意【投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

リスクコントロールの極意…「資金の安全域」を確保する

500万円の現金があったときに、その全額で株式を買ってしまうのは危険です。たとえば200万円は現金で残しておいて300万円を株式にするなどして、資金の安全域を保つのです。

 

その割合は一概にはいえません。現金が500万円ではなく100万円である場合、1,000万円である場合、1億円である場合でもそれぞれ異なります。また、その人の定期収入や定期支出の額にもよりますし、独身か否か、子供がいるか否か、などによっても変わってくるでしょう。

 

しかし、まずは「多め」に現金を残しておくことで、安全域を確保できるのです。

 

過度なインフレでも起きていない限り、現金というものは目減りしないものだといえます。また、十分な現金があれば、いざ「この銘柄を買おう!」と思ったときに大きく投資することも可能です。一方で、現金がなければ、それはできません。

 

現金に余力を持たせておくことで安全域を確保することは、株式投資において重要なことです。

購入株価の安全域を確保する

株を購入する価格においても、安全域を確保しましょう。

 

「この価格でこの株を買えば上がる確率が高いだろう」程度ではまだ、買うべきではありません。

 

「十分に価格が下がっていて、今買えばまず上がるだろう」という段階になって買うのが理想です。

 

「適正な株価」というのを想定した場合、それよりも安ければ安いほど、その投資はローリスク・ハイリターンになります。安いほど、上がる確率も上がる幅も、大きいといえるからです。

 

ですから、とにかく「十分に安くなるのを待ってから買う」ことで安全域を確保できます。

 

株価は日々変動していて、1~2週間程度で様相がガラリと変わることは珍しくありません。まだ買わないほうがよいと思った株が、1~2週間後には十分安い価格になっていることもあります。

 

もちろん、ひと月待っても、半年待っても、1年待ってもよいのです。購入株価の安全域を確保せずに買い、損失を出すよりはよほどマシです。買わなくても、株式投資では損失にはならないのですから。

 

また、購入候補となる銘柄をたくさん用意しておけば、チャンスが訪れるタイミングも少なくないでしょう。

 

このようにして、とにかく十分に安くなるのを待って買い、購入株価の安全域を確保しましょう。