リスクコントロールの極意…「資金の安全域」を確保する
500万円の現金があったときに、その全額で株式を買ってしまうのは危険です。たとえば200万円は現金で残しておいて300万円を株式にするなどして、資金の安全域を保つのです。
その割合は一概にはいえません。現金が500万円ではなく100万円である場合、1,000万円である場合、1億円である場合でもそれぞれ異なります。また、その人の定期収入や定期支出の額にもよりますし、独身か否か、子供がいるか否か、などによっても変わってくるでしょう。
しかし、まずは「多め」に現金を残しておくことで、安全域を確保できるのです。
過度なインフレでも起きていない限り、現金というものは目減りしないものだといえます。また、十分な現金があれば、いざ「この銘柄を買おう!」と思ったときに大きく投資することも可能です。一方で、現金がなければ、それはできません。
現金に余力を持たせておくことで安全域を確保することは、株式投資において重要なことです。
購入株価の安全域を確保する
株を購入する価格においても、安全域を確保しましょう。
「この価格でこの株を買えば上がる確率が高いだろう」程度ではまだ、買うべきではありません。
「十分に価格が下がっていて、今買えばまず上がるだろう」という段階になって買うのが理想です。
「適正な株価」というのを想定した場合、それよりも安ければ安いほど、その投資はローリスク・ハイリターンになります。安いほど、上がる確率も上がる幅も、大きいといえるからです。
ですから、とにかく「十分に安くなるのを待ってから買う」ことで安全域を確保できます。
株価は日々変動していて、1~2週間程度で様相がガラリと変わることは珍しくありません。まだ買わないほうがよいと思った株が、1~2週間後には十分安い価格になっていることもあります。
もちろん、ひと月待っても、半年待っても、1年待ってもよいのです。購入株価の安全域を確保せずに買い、損失を出すよりはよほどマシです。買わなくても、株式投資では損失にはならないのですから。
また、購入候補となる銘柄をたくさん用意しておけば、チャンスが訪れるタイミングも少なくないでしょう。
このようにして、とにかく十分に安くなるのを待って買い、購入株価の安全域を確保しましょう。