FXと聞くと、年間数億円を稼ぎ出し、都心のタワマンに住んで高級車を乗り回す、派手で胡散臭いトレーダーを思い浮かべる人も少なくありません。しかし、登録者数20万人超えのYouTuberで『日利1%FX 鉄壁の不動心トレード』(KADOKAWA)著者のNOBU塾氏は「FXの成功=“稼ぐこと”という考えは危険」といいます。それはなぜか、詳しくみていきましょう。
FXで「月60万円」稼ぐ…誰でもマネできる“具体的な”投資手法

キーワードは我慢…不規則な相場に現れる「2割」を待つ

実は不規則な相場の中で、ときおりわずかに規則的な動きが現れています。僕の印象としては、8割ぐらいの値動きはまったくのランダムで先の予測ができませんが、2割ぐらいは数秒から数分先の値動きが読める局面があるのです。

 

勝ち続けているトレーダーは、こうした「読める相場」が到来するのを根気強く待って、そのタイミングだけに絞って取引しているのです。だから勝率が高いのです

 

ですから、彼らは1日中トレードをしたり、ログインした瞬間にエントリーしたりするようなことはありません。むしろ、チャートを見ているだけ、取引の機会を待っているだけという時間がほとんどで、取引ボタンをクリックすることはとてもまれなのです。

 

読める相場はいつ現れるかわかりませんし、出てきてもほんの数秒で終わってしまうこともあります。しかも、丸1日待ち続けても必ず出会えるとは限らないので、「稼ぐのが仕事」と思っていると、何もしないまま時間だけが過ぎていくことに我慢できなくなってしまいます。だから、不規則な相場でトレードし、運を天に任せてしまうのです。

 

確率に支配された不規則な相場で勝負すれば、いずれ資金を失うのは当然のことです。

稼ぐことをやめた瞬間、稼ぎ続けられるようになる不思議

勝てるトレーダーになりたいのなら、マーケットに向き合う目的を「稼ぐこと」にしてはいけません。

 

そうはいっても、稼ぐ必要がまったくないのにトレードをしようという人はいないはずです。だったら何を目的にすべきなのでしょうか。

 

それは、「生き残ること」です。決して大儲けは狙わず、トレーダーとして1日でも長く、生活を維持していくことを目標とするのです。

 

FXで勝ち続けたいなら「稼ぐ」ではなく「生き残る」ことを最優先に考える

この「生き残る」ということを具体的に数値化したのが、日利1%です。大儲けを狙わず、それでも毎日の暮らしには困らない程度の生活費や、給料に少し上乗せできる程度のお小遣いをマーケットからいただくというイメージです。

 

トレードをするのが月20日とすると、月利では20%となり、年利では240%です。1年で元手を倍以上にできるのですから、これでも十分すぎる成果だと思いませんか。僕の場合は300万円を元手に、その1%である3万円を1日の利益の目安にしています。月収に換算すると60万円で、利益にかかる約20%の税金を払った手取りは48万円。

 

贅沢な生活ができる額ではありませんが、家族を養っていくには十分な金額です。大儲けを狙っていたころは、月の利益の変動が激しく、大儲けできた月もあれば大損を出す月もありましたが、生き残ることを目的とする日利1%トレードを始めてからは安定した利益を出し続けることができています。

 

日利1%にあたる3万円の利益を出したら、その時点でその日のトレードは終わりにします。どんなに調子が良くても、それ以上の利益を取りに行くことはほとんどしません。

 

調子づいているときはどうしても、「今のうちに明日の分まで稼いで、明日はゆっくりしよう」などといった欲が出てしまいがちです。

 

しかし、こうした欲望はチャンスではない局面でのエントリーや損切りの遅れにつながりやすく、生き残りを目指すトレーダーにとってはまさに大敵です。結果的にその日の利益を全部吹き飛ばしてしまったり、それ以上の損失を被ったりしてしまう事態に発展しやすいのです。

 

「もっともっと」という気持ちには際限がないので、一定の目標を達成できたら、さっさとその日のトレードを終了させる姿勢が必要なのです