出世街道を順調に歩んでいる「勝ち組サラリーマン」の給与額は、平社員とは雲泥の差。周囲から羨望の眼差しが注がれることでしょう。しかし、そんな人が将来手にする年金額にも羨望の眼差しが注がれるかといえば、そうではないようです。みていきましょう。
月収78万円・59歳の勝ち組サラリーマンの悲鳴「たった、これっぽっち……」定年後、65歳で手にする「唖然の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

定年~年金受給開始で月収は3分の1まで激減…老後のダウンサイジングは必須

60歳の定年から5年で、78.4万円から21.3万円と月収では3分の1程度に、年収では5分の1程度に……この現実を知ると、「たった、これっぽっち……」とため息をついてしまうのも無理はありません。

 

しかし、なんとも残念な現実に嘆いていても仕方がなく、月収78万円の感覚で65歳を迎えると、あっという間に破産してしまうことは明らか。そのためにもライフスタイルのダウンサイジングは、定年前から検討し、できることから始めておきたいもの。そのためのポイントは、大きく3つ。

 

①家計収支を明らかに

現役時代、収入に余裕がある人は、どんぶり勘定でもよかったでしょう。しかし、収入手段が限られる年金生活ではそうはいきません。まずは「入ってくるお金」と「出ていくお金」を把握し、削れる部分を明らかにします。そして徐々に“身の丈にあった”生活へと変えていきましょう。

 

②住み替えの検討

年金の支給が始まった頃には、子どもも独立して、配偶者と2人暮らし、というケースも多いでしょう。使っていない部屋があったり、広すぎたり。さらに段差があるなど、高齢者が住むには適していないことも。大きな家は維持費もかかるので、思い切って住み替えを検討し、住まい自体をコンパクトにする、というのもひとつの手です。もちろん老後生活が困窮しないよう、余裕のあるマネープランが求められます。

 

③捨て活

もう使わない家具・家電、衣服……家の中には使わなくなった不用品が色々とあるでしょう。もったいないからといって使わないものを残しておく習慣は、無駄な出費にも繋がりやすいもの。余裕のあるうちに、必要なものと不用品を選別し、不用品と判断したものは処分。住まいにも余裕が生まれて精神的にも晴れやかと、二重のメリットが得られます。

 

 

現役時代、どんなに勝ち組と讃えられる人でも、手にする年金はかなり現実的な金額だといわざるを得ません。現役時代の生活水準を引退後も保ちたいのであれば、それ相当の貯蓄がなければ難しいでしょう。また長生きすればするほど、貯蓄の減少は免れませんから、老後のダウンサイジングは必須。いきなり収入にあった生活水準にするのは難しいので、無理せず、時間をかけて行うことが重要です。