定年~年金受給開始で月収は3分の1まで激減…老後のダウンサイジングは必須
60歳の定年から5年で、78.4万円から21.3万円と月収では3分の1程度に、年収では5分の1程度に……この現実を知ると、「たった、これっぽっち……」とため息をついてしまうのも無理はありません。
しかし、なんとも残念な現実に嘆いていても仕方がなく、月収78万円の感覚で65歳を迎えると、あっという間に破産してしまうことは明らか。そのためにもライフスタイルのダウンサイジングは、定年前から検討し、できることから始めておきたいもの。そのためのポイントは、大きく3つ。
①家計収支を明らかに
現役時代、収入に余裕がある人は、どんぶり勘定でもよかったでしょう。しかし、収入手段が限られる年金生活ではそうはいきません。まずは「入ってくるお金」と「出ていくお金」を把握し、削れる部分を明らかにします。そして徐々に“身の丈にあった”生活へと変えていきましょう。
②住み替えの検討
年金の支給が始まった頃には、子どもも独立して、配偶者と2人暮らし、というケースも多いでしょう。使っていない部屋があったり、広すぎたり。さらに段差があるなど、高齢者が住むには適していないことも。大きな家は維持費もかかるので、思い切って住み替えを検討し、住まい自体をコンパクトにする、というのもひとつの手です。もちろん老後生活が困窮しないよう、余裕のあるマネープランが求められます。
③捨て活
もう使わない家具・家電、衣服……家の中には使わなくなった不用品が色々とあるでしょう。もったいないからといって使わないものを残しておく習慣は、無駄な出費にも繋がりやすいもの。余裕のあるうちに、必要なものと不用品を選別し、不用品と判断したものは処分。住まいにも余裕が生まれて精神的にも晴れやかと、二重のメリットが得られます。
現役時代、どんなに勝ち組と讃えられる人でも、手にする年金はかなり現実的な金額だといわざるを得ません。現役時代の生活水準を引退後も保ちたいのであれば、それ相当の貯蓄がなければ難しいでしょう。また長生きすればするほど、貯蓄の減少は免れませんから、老後のダウンサイジングは必須。いきなり収入にあった生活水準にするのは難しいので、無理せず、時間をかけて行うことが重要です。