閉店間際のスーパーに異変!高齢者が詰めかける
スーパーに変化が起きているというつぶやき。閉店間際に来店する高齢者が、このところ増えているのだとか。その来店動機は「惣菜や弁当に“値引きシール”が貼られるのを待っている」。同様のつぶやきは、ほかのスーパーの店員からも聞かれ、どうも全国的な傾向のようです。
当の高齢者からは、やはり最近の物価高への苦労が聞かれます。総務省が先月発表した消費者物価指数(CPI)2023年3月分は、2020年を100とした総合指数としては104.4。前年同月比では3.2%の上昇。また生鮮食品を除く総合指数は104.1で、前年同月比では3.1%の上昇でした。
同じく総務省『小売物価統計調査』で主要品目の価格推移をみていくと、やはり多く商品・サービスの価格が高騰。スーパーでも、思わず商品を取る手を引っ込めてしまうほどの値上がりぶりです。せめてもの救いといえるのが、電気代の値下げ。「電気代が高過ぎる!」と話題になっていましたが、2023年2月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が適用されたことにより、大きく値下げとなりました。
【主な商品・サービスの「2022年3月/2023年3月」価格比較】
・食パン(1kg)444円→477円
・牛乳(紙パック1L)211円→232円
・鶏卵(Lサイズ10個)222→289円
・食用油(菜種油1L)367円→486円
・醤油(本醸造・こいくち、1L)274円→288円
・幕ノ内弁当(並、持ち帰り)568円→613円
・電気代(従量電灯、最低料金制、441kWh)1万4,493円→1万2,192円
出所:総務省『小売物価統計調査』より
一方で2023年度の年金額は、3年ぶりのプラス改定。2023年度に公的年金を受け取り始める67歳以下で前年度比プラス2.2%、すでに公的年金を受け取っている68歳以上で前年度比プラス1.9%。厚生労働省によると67歳以下で、国民年金(老齢基礎年金)は満額で昨年度6万4,816円から6万6,250円*1に、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は昨年度21万9,593円から22万4,482円*2に、増額となります。
一方で、今年度は2021年度と2022年度のマクロ経済スライド*3の未調整分の調整▲0.3%と、2023年度分のマクロ経済スライドの調整▲0.3%が行われるため、全体で▲0.6%分、年金水準が押し下げられ、年金額の実質的な価値は目減り。増額分が完全にチャラとなっています。
*1:令和5年度の68歳以上の老齢基礎年金(満額)は月額6万6,050円
*2:平均的な収入(平均標準報酬=43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金の満額)の給付水準です
*3:そのときの社会情勢に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み。2016年の制度改正で、マクロ経済スライドが実施されなかった場合は、その分を翌年度以降に持ち越し、年金が増額する際には過去の分をまとめて抑制する仕組みが加わった