岡三証券の社内カンパニー「岡三オンライン」のIPO(新規公開株式)の抽選の申し込みは事前入金が不要で、誰にでも当選のチャンスがあります。IPOの基本をはじめ、抽選の申込方法、取扱銘柄、ペナルティの有無などを、FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が解説します。
岡三オンラインのIPO(新規公開株式)の抽選は事前入金が不要!申込方法や取扱銘柄は?

『資産形成ゴールドオンライン』は複数の企業と提携して情報を提供しており、当サイトを経由して申込みがあった場合、各企業から報酬が発生することがあります。しかし、提携の有無などが本ページ内のサービスの評価や掲載順位に関して影響を及ぼすことはありません(提携会社一覧)。

上場初日に募集時より高い株価がつくことで人気の「IPO(新規上場株式)」。

 

岡三オンライン(旧・岡三オンライン証券)は、IPOを獲得するための抽選に申し込むときの事前入金が不要の数少ない証券会社で、誰にでも当選チャンスがあります。

 

本記事では、

 

「岡三オンラインのIPOってどうなの?」

「岡三オンラインのIPOの申し込み方法は?」

「そもそもIPOって何?」

 

という疑問をお持ちの方に、IPOの基本から岡三オンラインのIPOサービスについて、複数の証券会社でIPO獲得の実績を持つ筆者がお伝えします。

 

最後まで読めば、IPO当選チャンスを増やすことができます。

 

 

最初にIPO(新規上場株式)の基本を説明しますが、IPOの知識をある程度お持ちの方は読み飛ばして、「1. 岡三オンラインでIPOを申し込む3つのメリット」に進んでください。

はじめに:IPO(新規公開株式)の概要

IPO(新規公開株式)とは
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最初に、IPO(新規公開株式)の基本を解説します。

 

・IPOとは?

IPOは「Initial Public Offerring」の頭文字をとったもので、日本語では「新規公開株式」といいます。

 

国内には約250万社の「株式会社」がありますが、東京証券取引所などの取引所に株式が上場して「公開」されることによって、初めて投資家はその会社の株式を取引所で売買できるようになります。

 

しかし、上場前の募集段階(=「ブックビルディング期間」)で購入するには、証券会社が実施する抽選に参加し、当選する必要があります。IPOは様々な要因が絡み、上場前の「公開価格」より上場初日につく株価(=「初値」)のほうが高くなる傾向があるので応募する個人投資家が多く、IPOを抽選で獲得するのは至難の業です。

 

ただし、IPOの抽選ルールは証券会社ごとに異なり、案件ごとに配分できるIPOの株数も違うため、戦略的にIPOの抽選に参加することで当選確率をアップさせることは可能です。

 

・IPOの抽選から購入までの流れ(岡三オンラインの場合)

IPOの抽選から購入までの流れ(岡三オンラインの場合)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

IPOを購入するまでの流れを、岡三オンラインのケースで説明します。

 

■IPOの抽選から購入までの流れ(岡三オンライン)
 

  1. 抽選(ブックビルディング)に申し込む(需要申告)
  2. 抽選結果を確認する
  3. 当選していたら、必要金額を入金する
  4. 購入申込
  5. 上場日を迎える

 

ポイントを絞って解説します。

 

「ブックビルディング」をわかりやすく説明すると、IPOを担当する証券会社(主幹事証券)が、募集中の案件の応募状況から公開価格をいくらにするかを決定する方式のことです。

 

このブックビルディング期間中に投資家はIPOの抽選に申し込みます(=「需要申告」)。証券会社によっては、申込時に購入を希望する株数分の金額の入金が必要なところもあります(岡三オンラインの場合は不要)。

 

そして、ブックビルディング期間の翌営業日に、主幹事証券は最終的な公開価格を決定します。募集の段階では「500円~700円」という範囲で仮条件が提示され、公開価格が上限の株価(この場合は700円)で決まれば、ある程度人気があるIPO案件だと判断することができます。

 

抽選結果を確認し、当選していたら、岡三オンラインの場合はここで必要金額を入金します。入金して「購入申込」をすると、約定(注文が成立すること)します。

 

あとは上場日まで待ち、初日に売却するのか、しばらく保有するのかを判断しましょう。

 

\IPOの抽選は事前入金不要/

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1. 岡三オンラインでIPOを申し込む3つのメリット

岡三オンラインでIPOを申し込む3つのメリット
(引用:岡三オンライン

 

新規上場する株式会社は年間100社前後ありますが、岡三オンラインに限らず、どの証券会社でも全IPO案件を取り扱っているわけではありません。また、取り扱っていたとしても、その証券会社の割り当て株数がわずかで、当選する確率が限りなくゼロに近いこともあります。

 

直近3年間の岡三オンラインのIPOの取扱い銘柄数を見てみましょう。

 

  2023年 2022年 2021年
IPO銘柄数 96 91 125
岡三オンラインの
IPO取り扱い銘柄数

(カッコ内は全銘柄数に対する割合)

52
(約54%)

43
(約47%)

49
(約39%)

 

ご覧のように、岡三オンラインでは毎年50社前後のIPO案件を扱っています。

 

また、(店舗がある)岡三証券がIPO案件の主幹事を担当することが年に数回あり、その案件に関してはグループ会社の強みで岡三オンラインに割り当てられる株数が通常より多くなります。

 

岡三オンラインでIPOを申し込むメリットを3つ紹介します。

 

■岡三オンラインのIPOのメリット
 

  1. 抽選の申込時の事前入金が不要
  2. 1人1単元の申し込みなので、多くの人に当選チャンスあり
  3. 取引実績に応じて当選確率がアップする

 

それぞれ解説します。

メリット①:抽選の申込時の事前入金が不要

IPOの抽選ルールは証券会社が独自に決めることができます。そして、ほとんどの証券会社の場合、抽選の申込時に購入を希望する株数分の金額を入金しておく必要があります。

 

しかし、岡三オンラインの場合は、事前入金なしでIPOの抽選に申し込むことができます。極端に言えば、1時間前に口座開設が完了した人でも気軽に応募できます。

 

誰でも参加できる反面、「とりあえず申し込んでおこう」という人もいるので当選倍率は高くなるかもしれませんが、申し込まないことには当たらないので特に初心者には嬉しいはずです。

 

メリット②:1人1単元の申し込みなので、多くの人に当選チャンスあり

岡三オンラインのIPOは多くの人に当選チャンスあり
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

証券会社によっては、IPOの申込株数が多い人を優先的に当選させ、最低取引単位である1単元(通常は100株)だけではなく、1人に数百株を割り当てるところもあります。つまり、資金力がある人が有利になるようなIPOの抽選ルールを設けている証券会社もあります。

 

しかし、岡三オンラインの場合は多くの投資家にIPOが行き渡るように、1単元(100株)しか申し込めません。当選しても100株だけですが、資金力が少ない人でも気軽に申し込むことができ、誰にでも当選のチャンスがあります。

 

メリット③:取引実績に応じて当選確率がアップする

岡三オンラインのIPOは取引実績に応じて当選確率がアップ
(引用:岡三オンライン)

 

岡三オンラインのIPOの抽選は、資金力の大小は関係ありません。

 

しかし、過去の取引実績(支払った手数料)に応じて、次のように「ステージS」「ステージA」「ステージB」の3段階のステージを設けており、IPOの抽選実施回数に差をつけています。

 

ステージ種類 判定基準
ステージS

・判定期間中に一度でも信用取引手数料優遇コース「プレミアゼロ」または「プラチナ」が適用された方
 もしくは
・判定期間中の全商品の取引手数料合計が100万円以上の方

ステージA

定期間中の全商品の取引手数料合計が10万円以上100万円未満の方

ステージB

判定期間中の全商品の取引手数料合計が10万円未満の方

 

岡三オンラインでは、第一抽選(対象:ステージSの方)、第二抽選(対象:ステージSおよびAの方)、第三抽選(対象:全ステージの方)の計3回の抽選を実施しています。そして、ステージSは3回、ステージAは2回、ステージBは1回抽選が行われるので、ステージが上がるほど当選確率がアップする仕組みになっています。

 

「たくさん取引をした人を優遇して不公平だ」

 

と思う人もいるかもしれませんが、同じステージのなかでは有利不利はなく、抽選はすべて乱数によって公平に行われるので、決して悪い仕組みではないと思います。

 

「普段から取引をしているファンに“IPOの当選”という形で還元したい」という証券会社側の想いだと考えられます。

 

・判定期間および適用期間

岡三オンラインのIPO抽選における3段階のステージは、以下の判定期間中の取引実績によって年4回判定され、以後3ヵ月間適用されます。

 

判定期間 適用期間
1月1日~3月末日 5月1日~7月末日
4月1日~6月末日 8月1日~10月末日
7月1日~9月末日 11月1日~1月末日
10月1日~12月末日 2月1日~4月末日

 

なお、岡三オンラインの全商品の手数料体系については、公式サイト「手数料」をご覧ください。

 

\取引実績に応じて当選確率アップ

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2. 岡三オンラインでIPOの抽選に申し込む方法

(岡三オンラインTRADE NAVI『【Web取引画面】IPO/POの抽選申込方法および抽選結果の確認方法』)

 

岡三オンラインでIPO抽選に参加するメリットをお伝えしたところで、実際に申し込む方法を紹介します。

 

申込方法の流れは、次の通りです。

 

■岡三オンラインのIPO抽選の申込方法
 

  1. ログイン後、「IPO/PO注文」に進む
  2. 抽選に申し込む銘柄の「抽選申込へ」をクリック
  3. 抽選申込の内容を入力する
  4. 抽選申込の内容を確認する
  5. 受付メッセージが表示されたら申込完了

 

順番に解説します。

 

STEP1:ログイン後、「IPO/PO注文」に進む

岡三オンラインにログインしたら、上部メニューの「取引」>左メニューの「IPO/PO注文」の順にクリックします。

 

STEP1:岡三オンラインにログイン後、「IPO/PO注文」に進む

 

 

STEP2:申し込む銘柄の「抽選申込へ」をクリックする

ブックビルディング期間中で現在申し込みができるIPO案件にはオレンジ色の「抽選申込へ」ボタンが表示されるので、クリックしましょう。

 

注意事項が表示されたら、一読して「はい(申込画面へ)」をクリックします。

 

 

STEP3:抽選申込の内容を入力する

続いて、抽選申込の内容を入力します。数量は1単元(通常は100株)しか申し込めないので「100」を入力します。

 

公開価格はあまり人気がない銘柄ではない限り仮条件価格の上限で決まるので、申込価格は仮条件の上限を入力しておきましょう。「成行」でも構いません。

 

そして、「インサイダー情報に基づく取引」に該当しなければチェックを入れて、「抽選申込確認画面へ」をクリックします。

 

なお、「インサイダー情報」と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、申し込むIPO銘柄の社員や関係者であったり、該当銘柄に関する未公表の重要な情報を知っていたりする方ではない限り該当しないので大丈夫です。

 

 

STEP4:抽選申込内容を確認する

必ず申込内容を確認して、「抽選申込」ボタンをクリックしましょう。

 

修正する場合は、「抽選申込入力画面へ戻る」ボタンから戻って変更します。

 

 

STEP5:受付メッセージが表示されたら申込完了

「下記の内容で、抽選申込を受け付けました」と表示されたら、申込完了です。

 

抽選結果は「IPO抽選結果のお知らせ」という件名で次のような内容のメールが届くので、抽選日は特に注意してメールフォルダをチェックしましょう。

当選/補欠の場合のメール
 
岡三オンラインでのIPO抽選の実際の当選メール
 
落選の場合のメール
 
岡三オンラインでのIPO抽選の実際の落選メール
 

なお、当選もしくは補欠当選の場合に限り、ログイン後の証券総合取引口座の画面にもメッセージが掲載されます。

 

\アナリストによるレポートが充実

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3.【2024年】岡三オンラインのIPO銘柄一覧

2023年の岡三オンラインのIPO銘柄一覧
(※写真はイメージです/PIXTA)
 

本章では、2024年11月11日時点で岡三オンラインが扱っている(扱った)IPO銘柄を、1月から遡って紹介します。

 

岡三オンラインのIPO銘柄一覧(2024年)

 

上場日 銘柄
コード

銘柄

ブックビル期間
※各日とも午前8時まで
12/9 281A

インフォメティス

11/21~11/27

12/4 280A TMH

11/19~11/25

11/29 277A

グロービング

11/14~11/20

11/29 278A

Terra Drone

11/14~11/20

11/22 274A ガーデン

11/6~11/12

10/29 269A

Sapeet

10/11~10/18
10/22 264A

Schoo

10/3~10/9
10/23 9023

東京地下鉄(東京メトロ)

10/8~10/11
10/16 261A

日水コン

9/27~10/3
10/21 7118

伸和ホールディングス

10/2~10/8
10/18 262A

インターメスティック

10/1~10/4
10/8 259A

ケイ・ウノ

9/20~9/27
9/26 244A

グロースエクスパートナーズ

9/6~9/12
10/1 250A

シマダヤ

9/12~9/19
9/27 247A

Aiロボティクス

9/10~9/17
9/26 246A

アスア

9/9~9/13
9/26 248A

キッズスター

9/9~9/13
9/25 242A

リプライオリティ

9/5~9/11
9/25 241A

ROXX

9/5~9/11
8/29 231A

Cross Eホールディングス

8/14~8/20

7/26

215A

タイミー

7/10~7/17
7/31 220A

Faber Company

7/16~7/22
7/29 218A

Liberaware

7/11~7/18
7/23 212A

フィットイージー

7/5~7/11
6/14 190A

Chordia Therapeutics

5/30~6/5
6/11 189A

D&Mカンパニー

5/27~6/3
6/5 186A

アストロスケールホールディングス

5/21~5/24
5/28 184A

学びエイド

5/13~5/17
4/24 176A

レジル

4/9~4/16
4/11 173A

ハンモック

3/27~4/2
4/4 160A

アズパートナーズ

3/18~3/25
3/29 157A

グリーンモンスター

3/13~3/19
3/28 153A

カウリス

3/12~3/18
3/27 149A

シンカ

3/11~3/15

3/27 151A

ダイブ

3/11~3/15

3/26 145A

L is B

3/8~3/13
3/26 147A

ソラコム

3/7~3/13

3/26

148A

ハッチ・ワーク

3/8~3/14

3/26 150A

JSH

3/8~3/14
3/21 5858

STG

3/5~3/11

2/28 138A

光フードサービス

2/9~2/16

 

 

ブックビルディング期間も載せているので、IPO抽選の申込み管理にお役立てください。

 

4.「岡三オンラインのIPO」に関するよくある質問

岡三オンラインのIPOに関するQ&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、岡三オンラインのIPOに関するよくある質問に7つ回答します。本文と重複する箇所もありますが、復習のためにもお役立てください。

Q1.「補欠当選」とは何ですか?

「補欠当選」とは、IPOの抽選に当選した人が購入を辞退したときに備えた「繰上当選の権利」のことです。

 

抽選結果に「補欠当選」と表示されても必ず購入できるとは限らないので、過度に期待しないようにしましょう。

 

Q2.「NISA口座」でIPOを購入することはできますか?

IPOが当選した証券会社でNISA口座を持っていれば、購入申込時に「NISA預り」を選ぶことでNISA口座(成長投資枠)でも購入でき、売却益が非課税になります。

 

Q3. 岡三オンラインのIPOの抽選は申込数量が多いほうが当選確率は上がりますか?

岡三オンラインのIPOの抽選はそもそも1単元(通常は100株)しか申し込めないので、資金量が多いからといって当選確率が上がることはありません。

 

Q4. 岡三オンラインの「アプリ」からIPOの抽選に申し込めますか?

岡三オンラインの日本株取引専用アプリには『岡三カブスマホ』がありますが、IPOの抽選の申し込みはできません。

 

スマホから参加する場合は、スマホでウェブサイトを表示させて応募しましょう。

 

Q5. 岡三オンラインでのIPOの抽選結果の確認方法と時間を教えてください。

IPOの抽選結果は、ブックビルディング期間終了の翌営業日の17時~20時くらいにメールで通知されます。

 

また、当選もしくは補欠当選の場合に限り、ログイン後の画面にもメッセージが掲載されます。

 

Q6. 岡三オンラインでIPOに当選したら、いつまでに入金する必要がありますか?

当選または補欠当選した場合は、入金締切日の15時までに必要金額を入金する必要があります。

 

必要金額に満たない場合は、落選扱いになるのでご注意ください。

 

Q7. 岡三オンラインで当選したIPOの購入を辞退した場合に「ペナルティ」はありますか?

当選したIPOの購入を辞退すると、一定期間はIPOの抽選に参加できないなどのペナルティを設けている証券会社も一部にはあります。

 

正式には公表されていませんが、岡三オンラインの場合は特にペナルティはないとされています。しかし、やみくもにIPOの抽選に申し込むのではなく、本当に購入したい案件のみ応募するようにしましょう。

 

5. まとめ

岡三オンラインのIPOのまとめ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、岡三オンラインのIPOについて解説しました。

 

岡三オンラインは、25歳以下の国内株式の現物取引の手数料が実質無料であったり、1日の約定代金が100万円(現物と信用を合わせて200万円)までの手数料が無料であったり、国内株式を中心に取引する方には特におすすめのネット証券です。

 

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