新型コロナは、感染症法上の位置づけが、5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することが正式に決まった。政府の水際対策終了後、初めてのゴールデンウィークが始まっており、観光地では旅行客の賑わいが戻っている。そんな中、今年も5月から6月にかけて、ドリームジャンボ宝くじが発売される。最高当せん金は、1等前後賞合わせて5億円と高額だ。実は、今回の宝くじは、当せん金や当せん確率など、基本的な内容が昨年のものと同じとなっている。ニッセイ基礎研究所の篠原拓也氏が、その内容を確認しながら、今回はどう狙ったらよいか考えていく。
ドリームジャンボの期待2023…当せんへの期待をどう膨らませるか? (写真はイメージです/PIXTA)

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ドリームジャンボは、100万円以上の当せん確率が年末ジャンボの約3.2倍、バレンタインジャンボの約1.1倍

ドリームジャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等前後賞合わせて5億円」のうたい文句で発売されるのは、ドリームジャンボだ。これに対して、ドリームジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円となっている。

 

それでは、まず、ドリームジャンボについて詳しく見てみよう。当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表(図表1)のとおりとなる。

 

【図表1】ドリームジャンボの当せん金、当せん確率、平均受取額
【図表1】ドリームジャンボの当せん金、当せん確率、平均受取額

 

このうち、もっとも注目すべきは、1等、1等の前後賞、2等、3等の4つからなる、100万円以上の当せん金が受け取れる確率を合わせると、0.00075%と、かなり高い点だ。昨年末に発売された年末ジャンボ宝くじでは、この確率が0.000235%だった。今年2~3月に発売されたバレンタインジャンボでは、0.00066%だった。

 

ドリームジャンボは、100万円以上の当せん確率が年末ジャンボの約3.2倍、バレンタインジャンボの約1.1倍に引き上げられていることになる。

 

ドリームジャンボは「1等前後賞合わせて5億円」を中心に、100万円以上の高額当せんを狙うための宝くじ、と位置づけられる。

 

ミニは、1万円以上の当せん確率が年末ジャンボミニの約84倍、バレンタインジャンボミニの約1.4倍

いっぽう、ドリームジャンボミニはどうか。ドリームジャンボと違って、当せん金の最高額は1等前後賞合わせて5000万円にとどまるが、その分、2等以下の当せんの可能性は大きい。

 

ドリームジャンボミニについて、当せん金、当せん確率、平均受取額をまとめると、次の表(図表2)のとおりとなる。

 

【図表2】ドリームジャンボミニの当せん金、当せん確率、平均受取額
【図表2】ドリームジャンボミニの当せん金、当せん確率、平均受取額

 

このうち、もっとも注目すべきは、3等1万円の当せん確率が0.6%と、かなり高い点だ。昨年の年末ジャンボミニには当せん金1万円の等級がなかった。今年2~3月に発売されたバレンタインジャンボミニでは、当せん金1万円を受け取れる確率は0.4%だった。これらと比べると、今回のドリームジャンボミニは、かなり高い水準に設定されているといえるだろう。

 

その結果、1万円以上の当せん金が受け取れる確率は、昨年の年末ジャンボミニの0.00712%、今年2~3月のバレンタインジャンボミニの0.42115%から、今回のドリームジャンボミニでは0.60112%へと大幅に引き上げられている。年末ジャンボミニの約84倍、バレンタインジャンボミニの約1.4倍という高さだ。

 

ドリームジャンボミニで1万円以上の当せん金が受け取れる確率は、ドリームジャンボの0.30174%と比べても、約2倍の高さとなっている。

 

誰でも、1枚300円のくじを買って1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいはずだ。この嬉しさを多くの人に味わってもらう―それが、今回のドリームジャンボミニの特徴といえる。

 

平均的には、くじを167枚買えば、1万円以上の当せんが1本出る確率だ。ただし、167枚買うには、5万100円が必要なため、1万円が1本当たるだけでは持ち出しになってしまう。この点には、注意が必要だ。

 

ドリームジャンボミニは「1等前後賞合わせて5000万円」の高額当せんを視野に入れつつ、1万円以上の当せんに焦点を合わせた宝くじ、と位置づけられる。