シングルマザーのAさんは、毎月5万円の養育費と手取り12万円のパート収入を頼りに息子と2人暮らしをしています。しかしある日、元夫からの養育費がストップしてしまい、次第に貯蓄も底をついてしまいます……。Aさんは今後の生活をどうすればよいのでしょうか。本記事では、FP1級の川淵ゆかり氏がAさんの事例とともに、ひとり親世帯が利用できる手当や補助について解説します。
“手取り12万円の37歳シングルマザー”元夫からの養育費がパタリと途絶え、貯蓄も底をつき「もう限界」…絶望を救う〈FPからの助言〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

シングルマザーが利用できる手当や補助は?

お子さんの手当としては児童手当(中学卒業までの児童が対象)がありますが、シングルマザーにはほかに受けられる手当は次のようにあります。

 

1.児童扶養手当

高校卒業(18歳に達する日以後の最初の3月31日)まで、母子家庭だけでなく父子家庭についても支給されます。扶養人数や所得制限により金額が変わってきます。養育費を受け取っている場合はその8割が受給者の所得として算入されますので注意が必要です。

 

出所:厚生労働省HPより抜粋
[図表1]児童扶養手当 出所:厚生労働省HPより抜粋

 

2.児童育成手当

高校卒業(18歳に達する日以後の最初の3月31日)まで、母子家庭だけでなく父子家庭についても支給される東京都独自の制度になります。扶養人数や所得制限により金額が変わってきます。児童1人につき月額13,500円が支給されます。

 

3.家賃補助

市区町村独自の制度のため、実施していない地域もあります。対象となるお子さんの年齢も18歳や20歳未満などそれぞれで、金額も一律ではありませんが、月額約1万円となっています。

 

4.ひとり親家庭の医療費助成

こちらも市区町村によって助成内容が変わりますので、確認が必要です。お子さんだけでなく養育者(母または父)の医療費も助成してくれますが、所得制限があります。また、養育者は対象とはなりませんが、お子さんだけを対象とした所得制限がない医療費助成の制度を設けている地域もあります。

 

他にも税金面での寡婦控除や所得が低い場合は国民健康保険や国民年金の免除や、地域によっては交通機関(電車やバス)の割引、保育料の免除・減免があります。

 

養育費が受け取れなかったり、Aさんのように養育費がストップしてしまったりしたシングルマザーには、児童扶養手当は大きな助けになります。市区町村への相談は、恥ずかしい、面倒といった理由で腰が重い人も多いですが、お子さんのためですので、まずは出向いて直接相談してみましょう。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表