平均で語られることの多い、会社員の給与。そのたびに「中央値はもっと低いだろ」という声があがります。実際はどうなのでしょか。みていきましょう。
月収37万円・50代会社員「給与=サラリーマンのちょうど真ん中」に安堵も、65歳で手にする残念な「年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの平均給与「月34万円」だが…

1億中流社会といわれていた日本。いまは格差が広がり下流層が厚くなっているとされているからか、「自分は平均値」「自分はちょうど真ん中」というポジションに安心感を覚える人が増えています。

 

一応、おさらいしておくと、「平均値」は「データの合計をデータの個数で割って得られる値」であり、「中央値」は「データを大きさ順に並べたときにちょうど真ん中になる値」です。中央値は、平均値よりも極端な数字の影響を受けにくい値とされていますが、経年では正しく変化を反映しない場合があるとされています。

 

では日本のサラリーマン、その給与の平均値と中央値をみていきましょう。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(平均年齢44.5歳)の平均給与(所定内給与額)は月34.2万円。一方でちょうど真ん中の中央値は30.1万円。その差は4万円ほどです。

 

年齢別にみていくと、平均値では30代で30万円台、50代で40万円台となり、50代後半でピークに達します。中央値でも同じような曲線を描きますが、ピークの50代後半で37.8万円と、一度も40万円台に到達せずに会社員人生を終えることになります。平均値と中央値の差は、20代で1万円ほどの差も、30代では2万円ほど、40~50代は3万円台、60代前半では5万円台と、年齢があがるにつれて大きくなっていく傾向にあります。

 

【年齢別・サラリーマンの給与「平均値」と「中央値」】

20~24歳:22.1万円/21.6 万円

25~29歳:25.9万円/24.9 万円

30~34歳:29.7万円/27.9 万円

35~39歳:33.6万円/30.8 万円

40~44歳:36.4万円/33.3 万円

45~49歳:38.8万円/35.7 万円

50~54歳:41.1万円/37.3 万円

55~59歳:41.7万円/37.8 万円

60~64歳:32.2万円/27.1 万円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

 

――同年代の平均給与って、40万円を超えるんだあ

 

そう落胆する50代のサラリーマン。ただ平均を下回っても、真ん中よりは上、ということはありそうです。年齢が上がるに従い、平均値を押し上げる高給取りが増えるということなのでしょう。