2023年もいよいよ新年度。すでに学卒者が入社している会社もありますが、フレッシャーズを目にしては、「自分もこんな時があったなあ」と思わず目を細めてしまうことも。そんな新卒社員ですが、いまから老後を見据えていおいたほうが身のためです。みていきましょう。
新卒社員「初任給30万円」に思わずハイタッチも…月収「40代で22万円」の非正規「昼はおにぎり1個」の悲惨、哀しすぎる末路 (※写真はイメージです/PIXTA)

非正規社員の給与「21万円」だが…

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、会社員の月収(所定内給与額)の中央値は30.12万円。正社員、非正規社員でみてみると、正社員は31.22万円に対し、非正規社員は21.08万円と10万円ほどの差があります。

 

また前出の40代後半の男性で考えると、正社員であれば36.36万円に対し、非正規は21.95万円。給与差は14万円ほどに。正社員と非正規社員の給与差は年齢が上がるほど拡大し、50代後半では月に17万円ほどになります。

 

【正社員と非正規社員の月収(中央値)の推移】

20~24歳:21.69 万円/19.36 万円

25~29歳:25.09 万円/20.88 万円

30~34歳:28.26 万円/21.35 万円

35~39歳:31.32 万円/21.53 万円

40~44歳:33.90 万円/21.87 万円

45~49歳:36.36 万円/21.95 万円

50~54歳:38.32 万円/21.87 万円

55~59歳:39.15 万円/21.82 万円

60~64歳:29.71 万円/24.25 万円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値は左より男性正社員の月収(所定内給与額)中央値/男性非正規社員の月収中央値

 

同窓生で片や正社員、片や非正規社員として、第1歩を踏み出した人たちもいたでしょう。正社員であれば年齢と共に順調に昇給していくものの、非正規社員の場合はほぼ昇給ゼロ。50代で給与がピークに達し、喜びいっぱいの正社員を尻目に、非正規社員は「お昼はおにぎり1個で我慢」がいつまでも続くのです。

 

このような現実を知り、新卒社員は「よかった、正社員になれて」とホッと胸をなでおろしているかもしれません。しかし、日本は雇用環境の過渡期。今回の賃上げの動きのなかで、企業はどのように人件費を工面するか試行錯誤といったところ。結果「誰もが仲良く給与アップ」という時代から「選ばれた人だけが給与アップ」の時代に変わろうとしています。もしかしたら、柔軟な働き方ができる非正規社員のほうが重宝され「正社員を逆転」となる可能性も。

 

いままでにないほどの高額の初任給に喜んでいる場合ではないかもしれません。